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日々のあれこれと、美味しいものの記憶。


by oomimi_usako
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歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎 昼の部

11月の歌舞伎座は、新開場柿葺落(←まだやってます)吉例顔見世大歌舞伎。
仮名手本忠臣蔵の“部分”通し狂言がかかっています。
昼の部は、大序・三段目・四段目・道行まで。
仮名手本忠臣蔵といえば、日本人なら知らない人は居ないはずのお芝居ですが、
10月の義経千本桜と同様、竹田出雲・三好松洛・並木千柳による合作で、
最初は寛延元年(1748年)に、人形浄瑠璃としてかけられ、その後歌舞伎狂言に取り入れられたものです。
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大序には、文楽としての名残があります。
まず、“大序”という呼び方。
これは、人形浄瑠璃における序幕のことです。
口上人形が出てきて、登場人物と役者の名前を呼び上げるのも、そう。
それが終わって格調高い鳴り物(=天王立ち)と共にゆるりゆるりと定式幕があくと、
舞台上の登場人物が、みな頭を垂れていまして(寝ているわけではありません)
義太夫で名前を唄われると頭を上げる演出も、
人形から人間となって演技を始める、ということをあらわしています。

この幕において高師直は、当初中村吉右衛門丈の予定でしたが、仁左衛門丈休演に伴う配役変更の結果、市川左団次丈にかわっています。顔世御前(塩冶判官の奥方)に言い寄ったり、若狭之助をいじめたり、憎憎しさ満点で良いですよ。

桃井若狭之助は、中村梅玉丈。この方は、ちょっと薄幸な貴公子的お役がお若い頃から良くお似合いで、今回もすっかりハマっておられます。

塩冶判官は、尾上菊五郎丈。私が思う判官のイメージは、なぜかお父さまである尾上梅幸丈の雰囲気。なんとなく最近お姿も似ていらした菊五郎丈の判官は、そんなわけで、しっくり馴染む良い味を出しておいででした。あと十年後位には、尾上菊之助丈の良い判官が見られることになるでしょうね、楽しみです!
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三段目は、御存知! 松の廊下の刃傷事件。
この場面では、高師直役者のお芝居が、憎憎しければ憎々しいほど、刃傷の場が盛り上がります。
高師直が、いろいろ上手く行かないことがあるその鬱憤を、なんだかいつもイイ人オーラを出している塩冶判官に対して徹底的にぶつけてしまいます。その結果、判官はプッツン切れてしまうわけですが、ついにプッツン!となってしまった瞬間に、見ている側としては、なぜだかいつも、とても哀しくなってしまうのです。

この段の最後には、裏門の場というのがあって、早野勘平と腰元お軽が駆け落ちすることになる発端を描く場面がありますが、今回上演はありません、通しだっていうのにぃ・・・。
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四段目は、塩冶判官切腹とお城明け渡しの場面。
前の幕で、磨きのかかった悪者振りを熱演された左団次丈が、一転して良い人役でご登場。
なんたって左団次丈ですから、180度の転換をきちんとこなしておいででしたが、
それにしても、そんなに人材不足でしょうか?
顔世御前の芝雀丈は、可愛らしくて、はかなくて、上々吉。
東蔵丈も原郷右衛門でご登場されていますが、先月より御足の様子が目立たずに、安心して拝見できました。
城明け渡しの場面では、吉右衛門丈背後のお城の御門がだんだん遠ざかるように舞台演出があり、その距離が大きくなるほど悲しみが増していくお姿は、みているこちらもしんみりしてきます。
なんだか同じような雰囲気を、どこかで拝見したと考えていたら、それは、“俊寛”の幕切れでした。あちらも、吉右衛門丈のなさるのが、とても私は好き。
総じて、やはり由良之助は今回、吉右衛門さんで良かったのじゃないかと、思いました。
こうして四段目まで見終わったら、俄然五、六、七段目・・・と、続けてみたくなってしまったのでした。

おしまいは、清元の“落人”とも呼ばれる浄瑠璃“道行旅路の花聟”。
満開の桜に鮮やかな黄色の菜の花畑のなかで、駆け落ち途中の勘平とお軽の美しい一幕は、後世つけられた、デザートのようなサービス幕。
哀しい四段目のあとを、綺麗な舞台でお口直ししています。

ということで、今回も楽しい観劇が出来ました。
12月は、配役を替えた仮名手本忠臣蔵。
違いを楽しみたいと思い、それもまた昼の部を見に行く予定です。

いつものように、長々とした観劇記録にお付き合い下さいまして、
ありがとうございます。
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Commented by june_h at 2013-11-07 20:20
読んでいて通しで見ていた時のことを思い出しました。昼は安い幕見、夜は三階席で、一日通しで見たので、次の日寝込みました(笑)。
大序の人形が吉右衛門さんの名前を出した時一際沸いたこと。城明け渡しの場面は、幸四郎さんだったこと。こういう長いお芝居を見るのは初めてだったので、とても贅沢な時間でした!
芝雀さんは丸顔でカワイイですよね♪
来月の通しは、海老玉の道行だけ観たいな~などとムシのイイことを思いましたが、幕見もいっぱいでしょうね(^^;
Commented by suzu-kinako at 2013-11-07 20:55
いつもusakoさんの高貴な御趣味に実はコメントが難しいのですが、どうやら私も少しは歌舞伎の事もお勉強する必要があるようです。
お弁当のコメントなら出来ます。
実に美味しそう♪
Commented by oomimi_usako at 2013-11-08 18:08
☆juneさま、寝込んでしまわれたのですね~(^^;)
なにしろ、たぶんシカゴ位までいけちゃいますもの、あれだけの時間座っていたら(^^)v
わかります、わかります。
忠臣蔵通しは討ち入り位になると“もう早く討ち入って~”と思うのですが、桜姫通しなどは、結構最後まで楽しく見られるのですよね。なぜでしょうねえ。
でも、通しでみるというのは、全体が良く解るし、貴重なそして本当に贅沢な時間ですよね。
芝雀さん、タイプは違うけれど、さすがお父さまのDNAを受け継いでいらっしゃる!と思います。いつまでも、赤姫をやって欲しいなあ~♪
来月は、シュリンプ君は置いておいてとにかく久しぶりに玉さま見たさに出かけます・・・juneさま、ごめんなさいっ。
juneさまも、今年の締めくくりに、ご覧になれると良いですね!

Commented by oomimi_usako at 2013-11-08 18:15
☆きなこの母さま、歌舞伎は高貴じゃなくて、ただ高いだけなのっ。
一等席18000円也。もっと気軽なお値段にしないとダメよね、と私は思うのです。
なんたって、大衆芸能ですから、様子がお分かりになれば、きなこの母さまなら、あとはチョチョイのチョイです。
お弁当は銀座三越に開店と同時に飛び込んで買いました。
“青山”のお弁当は、お味もいいので、良く観劇のお伴にしています。
Commented by doremi730 at 2013-11-09 23:21
吉右衛門丈お目当てで来週の昼の部なのですが、
usako解説でますます楽しみになりました!
Commented by oomimi_usako at 2013-11-11 22:33 x
☆doremiさまも、お昼の部ですか!
どうぞ楽しんでいらしてくださいね~v
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by oomimi_usako | 2013-11-07 16:44 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(6)