この日は早めに尾道をスタートして、さらに西へまいりました。
瀬戸内海は、今までにも、いろいろな所から見てきました。 高松や小豆島から見た瀬戸内海は、広いイメージ。 でも広島側から見ると、たくさんの小島が目の前に見えるせいか、“海”というより大きな“河”とか“湖”といった印象です 三原から呉線(瀬戸内さざなみ線)に乗り換えて、竹原へ。 列車は海すれすれのところを走ります。 途中、なぜか徐行運転する箇所などあって、あれは、観光サービスだったのかしら?それとも大きな波が来たからかしら?となどと本気で考えてしまうほど海際なのです。 竹原は、“安芸の小京都”と呼ばれています。 平安時代には、京都下賀茂神社の荘園だったところで、江戸時代に入って製塩業で発展した街です。 その頃(江戸後期)からの家並みが今に残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。 早春の明るい日差しに、白やうぐいす色の漆喰の壁や、銀鼠色の棒瓦の屋根がまぶしく映えていました。 通りに面した家々の窓には、竹原格子と呼ばれる細かい細工の意匠のよい格子がはめられていて、後から江戸の町人さんの草履の音が聞こえて来そうなところでした。 帰りは、竹原から真北にあり、車で20分ほどのところの広島空港から帰路につきました。 この日訪ねたところ>>> ◎景観地区にて ・松阪邸・吉井邸・頼惟清旧宅など 製塩業での発展は、経済だけでなく町人文化の発展をも促しました。 当時をしのばせる大きな邸宅の様子を見学することが出来ます。 また、江戸時代の儒学者『日本外史』の著者である頼山陽はここ竹原ゆかりの人で、祖父頼惟清の営んでいた紺屋の建物も残っています。 道筋には山陽伯父の家も残っており、現在も頼家の方がお住まいです。 ◎西方寺普明閣 京都の清水寺を模して1758年に建てられたこのお寺には、舞台造の観音堂があります。高台にあって、街並みと瀬戸内海を一望できました。 ◎竹原歴史民族資料館 昭和初期の木造洋風建築の建物を改装して、竹原の今昔を紐解ける資料を展示しています。 平安時代荘園として発展した当時の資料、製塩業で栄えた頃の事や製塩そのものに関する資料、また輩出した高名な人々(元総理大臣池田勇人氏も竹原出身だそうです)に関することなどなど、小さな町でありながら歴史がギュッと詰まったところであることがわかりました。 >>>この日食べたもの、飲んだもの ◎利き酒 その壱 藤井酒造酒蔵交流館にて 竹原の藤井酒造のお酒が試飲出来ます。 何種類も並んでいますが、こういうとき全部飲むと結局分からなくなるので、ジーっと考えて選んだ2、3種類をグイッと・・・。 宝珠(純米吟醸)と、龍勢(特別純米)。 どちらも旨みのある美味しいお酒でした。 ◎利き酒 其の弐 小笹屋酒の資料館にて こちらは1733年から続く竹鶴酒造が酒蔵の一部を使って、家に伝わる酒造りに関する資料を展示しており、同時に試飲もできるようになっています。 竹鶴といえば・・・そうです、ニッカウヰスキーの創始者竹鶴政孝氏のご実家。 こちらでも、竹鶴(純米吟醸初しぼり)竹鶴(純米吟醸にごり)をぐいっ。 気に入ったので、その初しぼりをお買い上げ~。 ◎鬼瓦そば ちょっと面白いものをみつけました。街並み保存地区の奥にある“竹の茶屋 いっぷく”の鬼瓦そば。 熱した大きな瓦の上に茶そばが乗っていて、ちょっと焼け加減になっているところをそばつゆにつけていただくのです。 このお店のご主人は竹原育ちの瓦職人さん。 江戸時代製塩業が盛んだった竹原では、『海水を濃縮した“かん水”を煮詰めるためのかまどで瓦を焼いて、その上で野菜や魚を混ぜ込んだ「焼き味噌」を作って昼ご飯を食べとった。』(お店のリーフレットより)ことをヒントに、この焼きそばを始めたそうです。 ちなみに、竹原の旧家の屋根の上には、意匠を凝らした様々な鬼瓦が随所でみられました。 >>>エピローグ? 旅行から帰った日のお夕食は、大抵空弁を頂く事にしています。 もちろん現地の空港を飛び立つ前に、あちらで調達! なんだかんだで、やはり少々疲れているので、お吸い物だけササッとつくり、お味見しつつのお夕食。 合わせる御酒は? いえいえ、今晩はいただきません。 何しろあれだけ呑みましたから・・・ネッ! おまけ >>>usakoあわてるの巻 前日までに仕入れた御酒は全て宅配を頼みましたが、最終日の竹原で買い求めた竹鶴は、シッカと抱えて帰途についたusako。 広島空港で主人がチェックインをしている間、そのまわりをしばしウロウロ、キョロキョロ。 そのとき、カウンター横の立て看板をみつけ、思わず青ざめました。 “ペットボトルの中身は空けてね” そうでしたよね、飛行機は。 ・・・と言う事は、まさかまさか御酒を抱えていると乗せて貰えないの? 血相を変えてセキュリティのお姉さんのところにツツツーっと寄って行き、小声で伺いました。 『あのぉ~、日本酒持っているんですけれどぉ、これってだめなんですか?』 お姉さんにっこり一言。 『だいじょうぶですよっ』 ひゃ~たすかった、ありがたや~ ちょうどチェックインが済んで近付いてきた主人。 『良かったわ~、いくらなんでも、ここで720mlイッキはちょっと無理だからね☆』 先ほどから、目の端に移るusakoの妙な動きを不審に思っていたらしく、この一言で眉間に三本シワが寄りました。
by oomimi_usako
| 2007-03-18 23:09
| 旅とおでかけ
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Comments(4)
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mirei
at 2007-04-13 23:14
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『良かったわ~・・・』まで、普通に中身を捨てるおつもりでいたのかと。
イッキ、で大笑いしてしまいました^^ でももしだめだったら… やっぱりイッキ、なさってた?!
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oomimi_usako at 2007-04-14 00:12
☆mirei様お久しぶりです。もちろんイッキしてました!なんてね☆(^^)冗談と取って貰えない可能性のある、冗談です、念のため。
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yuko
at 2007-04-14 15:56
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瀬戸内旅行記楽しく読ませていただきました。主人の実家が倉敷なので、尾道にも行ったことがあります。ただ夏だったのであの坂道は本当にきつかったです…。倉敷にぶっかけうどんというのがあるのはご存知ですか?つゆが甘辛くて美味しいですよ。
いつもながらに美味しそうなお酒のオンパレードですね。次の旅行記が楽しみです。
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oomimi_usako at 2007-04-15 16:23
☆倉敷のぶっかけうどんって、知りませんでしたよyuko様!チェック甘かったわ~、残念。お気に入りは“ままかり”と、倉敷駅に近いお鮨屋さんで食べた“しゃこの唐揚げ”。殻ごと揚げたしゃこは、絶品でしたが以来探してもお目にかかれたことがないのです。ちなみに・・・お酒は備前幻の大大大ファンです。
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