カテゴリ:展覧会( 20 )

9月1日 ビアトリクス・ポター生誕150周年ピーターラビット展、渋谷Bunkamuraザミュージアムにて。


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渋谷東急本店のBunkamuraザミュージアムに、会期中の展覧会を観に行きました。
“ピーターラビット”の作者であるビアトリクス・ポター生誕150周年を、記念して開かれている展覧会です。
平日のお昼頃、ちょうど良いお客様の入り具合でした。

ピーターラビットといえば、知らない人はあまりいないであろう著名なうさぎさんですが、
その物語の全容や背景については、“はて?”と思う方も多いように思います。
展示では、詳しい方にもそうでない方にも、楽しめるようにとの配慮が随所に施されていました。
まず、お話誕生の経緯を分かり易くまとめ、それにちなむスケッチや、ビアトリクスの人となりにも言及していきます。
そして、ものがたりに添って挿絵の原画が掲げられていました。
ピーターラビットのお話が終わると、絵本作家であったビアトリクスが残した、その他の絵本のお話も紹介されます。
こちらはお話のあらすじの紹介と、ピックアップされた挿絵原画、草稿などをそれぞれ数枚ずつ展示。
そのほか、ビアトリクスが水彩で描いた湖水地方の風景スケッチも、スケッチブックごと展示されていたり、ロンドンから湖水地方に移住して、農場経営者としても成功した証しや、
彼女の愛用していた品々まで、ナショナルトラストが所蔵している貴重な資料が多数展示されていました。

今回のイヤホンガイドは、ディーンフジオカ氏。
私はレンタルしませんでしたけれど、どんなことをお話になったのでしょう。
可愛いウサギを見てうっとり…ではなく、
明らかに解説に聞き惚れてうっとり…という感じで佇む方、おいでになりました。

ビアトリクスの絵本に登場する動物たちの姿は、いつ見ても心なごみます。
お洋服は着ているけれど、表情は動物のそれそのまま。
なのに、そこにはお話の流れと共に、喜怒哀楽がはっきり見えてくるのが不思議です。
ふさふさの毛並は、柔らかさが伝わってくるようですし、
可愛らしい足が踏みしめる、微かな足音までも聞こえてくるようです。
きっとそれは、小さい動物たちを慈しむ、彼女のまなざしに映る世界が、
そのまま私たちに伝えられてくるからなのかもしれません。
いつもまでも、眺めていたくなる小さな愛らしい世界でした。
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少しだけ記念のお土産を。
手前の葉書、素描のうさぎさん。
これが、ピーターラビットのモデル、ビアトリクスの飼いウサギ、ピーターなんですって!


usako補足>
来る9月4日は、ピーターラビットのお誕生日なのだそうですよ。
会場では、3日~9日までをPeter's Birthday Week と銘打って、イベントを行うようです。
3日4日は、ピーターラビット(くまモンサイズ)と一緒に記念撮影が出来るようですし、
また、5日から9日は、ピーターの青い上着に因んで、青いお洋服で来場されるとプレゼントが頂けるそうです。







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by oomimi_usako | 2016-09-01 12:00 | 展覧会 | Trackback | Comments(2)

Bunkamura ザ・ミュージアムにて、ボストン美術館所蔵の歌川国芳、国貞を観る

美術館入り口に立って、チケットをチェックしている係員女史。
その後ろには、見慣れぬ立て札がありました。
“ただいま館内は大変混雑しております。”
この時間、この場所で、この立て札が出るというのは、
ちょっと珍しいことです。
“あの~、今日は何かイベントでもあったのですか?”
そう伺うと、
“いえ、そうではないのですが、会期末も近いものですから。”
確かにそろそろ会期末ですが、その日、残りはまだ二週間ありました。
“申し訳ありません。”
いえいえそんな、と言いながら、意を決して会場に突入しました。 
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今回の展覧会は、ボストン美術館所蔵の浮世絵コレクションのうち、
歌川国芳と歌川国貞の作品が、これでもか!というほど大量に、
展示されています。
浮世絵は、江戸時代の風俗を知ることが出来る、興味深い芸術。
特に歌舞伎の役者絵は、写真の無い時代の役者さんたちの、
お顔立ちを想像出来る、大事な作品群でした。

それにしても、
週明け月曜日のお昼頃といえば、いつも、快適な鑑賞空間を
提供してくれるのが常の渋谷東急Bunkamuraザ・ミュージアムです。
しかしながら、今回は、いつもと違う異様な様相を呈していました。
とにかく混んでいるのです、それも、お若い女の子たちで。
“何故に?”と思ったのは私だけではないようで、
どうしたのかと、係の方に尋ねている方々を数人お見かけしました。
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さて。
照明を落とした混雑した場内で、
大判とはいえ遠目に観るには小さい錦絵を、細部まで,
矯めつ眇めつ眺める余裕は、あまりありませんでした。
でも、せっかくなので、いつものように、
お気に入りの一枚を見つけてみました。

それは、歌川国貞の五枚組の作品。
松葉屋、中万字屋、扇屋、姿海老屋、弥玉、それぞれの店の
美人二人ずつを、ベロ藍という藍色の人工絵具一色で描いたもの。
膨大な錦絵の中に、この絵の藍のすっきりした筆遣いが、
あまりに新鮮で、爽やかで、強く印象に残りました。

この週末で会期は終了。
土曜日日曜日の人出や如何に!!





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by oomimi_usako | 2016-06-03 23:54 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

三菱一号館美術館 PARISオートクチュール展

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丸の内の三菱一号館。
手を掛けて残された往時の外観と、その前の小さなお庭は、
皇居のお堀までの間に林立するビルの間の、
小さなオアシスです。
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気候の良いお天気の日のお昼休みともなれば、
休憩するサラリーマンやOLの方々でいっぱい。
その混雑度は、まるでNYのユニオンスクエアみたいです。

でも、賑やかな広場から一歩建物のなかに入ると、
なぜか懐かしさを感じる内装と、漂う静けさに、
心がスッと落ち着きます。
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しかしながら今回は、心躍る展覧会が催されていました。
PARIS オートクチュール展。
2103年にパリ市庁舎で開催された展覧会を再構成したものだそうですが、
着られる芸術をメインテーマに、ガリエラ宮パリ市立モード美術館所蔵の
美しい品々を、沢山拝見することができました。
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シャネル、ディオール、ジヴァンシィ、
サンローラン、ゴルチェ、ラクロワ、
カルダン、ランバン、パコラバンヌ・・・
シルエットはもとより、織布や、
クリスタル、ラインストーンやビーズをふんだんに使った見事な刺繍は、
うっとり眺めているだけで、時の経つのを忘れそうです。
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そもそもオートクチュールというのは、高級とか高いなどという意味の
Hauteと、縫製、仕立てるという意味のCoutureを合わせた単語。
19世紀後半のパリで誕生し、パリクチュール組合が承認したブランドだけが、
顧客の注文に応じてデザイナー主導で仕立てる高級なお洋服のことです。
プレタポルテ主流になった今でも、シャネルやディオールはその伝統を
守り、オートクチュールを創り続けています。

ドレスだけでなく、ストールやお帽子、手袋などの小物類や、
デザイン画、それから、オートクチュールを世に送り出す巨匠の
御手の写真なども展示されていて、総数は130点あまり。
展示室を巡りながら、年代を追って流行は変わっても、
変わらない職人の技に魅了され続けました。
(一部の展示室で、写真撮影が許可されています。フラッシュはNGですが。)

More usakoのおまけのお話
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by oomimi_usako | 2016-04-07 17:05 | 展覧会 | Trackback | Comments(10)

渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで、風景画の成り立ちを学ぶ

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の美術展を観に行きました。
〝風景画の誕生”というタイトルが付いた今回の展示。
どのような経緯を辿って、現在、風景画といっているジャンルが出来上がってきたのかを、観て学ぶことが出来ます。
テーマに添って、時系列に並んでいるのは、ウィーン美術史美術館の所蔵品から選ばれた絵画です。
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16世紀初め頃、キリスト教や神話の世界と結びついた絵画の中に、風景が描かれ始めます。
デューラーに、初めの風景画家と呼ばれているのはヨアヒム・パティニール。
1515年頃に、その画家によって描かれた〝聖カタリナの車輪の奇跡”という絵画は、近景や遠景、自然の山や海、都市部の建物、人々の姿に加えて天使も飛んで、なんだか盛り沢山の絵画ですが、でもそこには、当時の人々の暮らしが見て取れるものが書き込まれていて、風景画としての次の展開への伏線が感じられます。

その後、風景画は、月暦画(日本でいう歳時記を絵にしたようなもの)や、
農牧民の生活を主題にした中に、景色として描かれる時代を経て、やがて風景そのものが題材となり、自然やヴェドゥータと呼ばれる都市の景観を、描くものとなりました。

印象に残ったものが、いくつかありました。

まずは、前述のヨアヒム・パティニールの絵画。

それから、著名な画家ヤーコブ・ファン・ロイスダールの、〝渓流のある風景”。
これは、北欧の風景を描いたもので、なるほどそういえばこんな感じねと思えるのです。
でも実際には、ロイスダールは北欧には行っておらず、旅をした人から聞いた内容を描いたとか。
ロイスダールの才能もさることながら、私は、その旅行体験を言葉で伝えた人の才能も、素晴らしかったのではないかと思ってしまうのでした。

アダム・ペイナーケルの〝ディヴォリ付近の風景”。
こちらも空想画で、古代遺跡の風景を描いています。
お天気の良い昼下がり(=これは私の空想)、町のはずれの古代遺跡には人影もなく、〝シーンという音”のするような風景が印象的です。

それからそれから、〝月明かりの下の船のある川の風景”という絵を1665~1670年頃に描いた、アールト・ファン・デル・ネールという画家。
風景画だけでは生活してゆけなかったので、居酒屋さんを営んでいたとかいう、これは絵よりもそのエピソードがなんだかとても今様で、印象に残りました。
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観ていくにあたっては、音声ガイドを借りました。
Bunkamuraザ・ミュージアムの音声ガイドは、俳優さんをナビゲーターに使っていて、ナレーションも聞きやすくて面白いので、こちらで鑑賞する時には大抵、ガイドのお世話になることにしています。

今回のナビゲーターは、榎木孝明氏。
・・・この方の〝お顔立ち”結構好きです、私事ですが。
館内では、絵画の脇に説明書きの掲示されているものももちろんありますが、
そこには書かれていない、さらに興味深いお話が、物静かで落ち着いた榎木氏の語り口で拝聴出来たことも、鑑賞を楽しくしてくれました。

会期は2015年12月7日まで。
そのあと、来年にかけて、静岡県立美術館石橋美術館(久留米市)へと回るようです。

usako補足>会場内ミュージアムショップでは、美術史美術館のあるウィーンにちなんで、
ウイーン菓子店ノイエスの野澤氏のオリジナルクッキー(缶入り)が販売されています。
期間限定で、ここと、赤坂のノイエスだけで手に入るそうです。
どちらかといえば花よりお団子という方は、そちらをメインにお出かけになっても良いかもしれません。



今回は美味しいもののお話ではありませんでしたが、
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by oomimi_usako | 2015-10-24 22:51 | 展覧会 | Trackback | Comments(4)

Bunkamuraザ・ミュージアム キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展

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イギリスのキャプテンクックことジェームスクックが、
帆船エンデヴァー号に乗って、プリマスから最初の太平洋航海に出たのは、
1768年のことでした。
タヒチ島での金星の太陽面通過観測が、主たる目的だったそうです。
オーストラリアやニュージーランド、南太平洋の島々をまわり、
インド洋へ抜け、約三年という歳月を費やしてイギリスに戻りました。

その航海に同行したのが、ロンドン王立協会のプラントハンター、
ジョセフバンクス。
そして、同じく同行した画家シドニーパーキンソン。
航海での彼らの成果は、ドローイングとしてまとめられていました。

残念なことに、バンクスが生きているうちに、それは刷られることはなく、
全743点の銅版画からなる『バンクス花譜集』が完成したのは、
それからなんと、200年の時を経た1980年代のことでした。
まとめ上げたのは、ロンドン自然史博物館です。

今回の展覧会では、その中から、120点が選ばれて展示されています。
葉脈の一つ一つまでも細かく表されていて、写真ではなくても、
これだけ細密に記録できることの素晴らしさを感じました。

また、版画にデータとして書かれている名前を読んで、正しい名前(スペル)が
判明した花もいくつかありました。
現在、日本の生花市場には、ニュージーランドやオーストラリアからも
多くの花が輸入されていますが、英語を日本語読みにしてしまって、
わかりにくくしているものも、多いものですから。

さらに、クック船長の航海の記録や、エンデヴァー号の模型の展示も
ありました。
当時の過酷な航海の記録は、とても興味深く見ることが出来ました。

併せて、南太平洋の島々の民族資料なども展示されていますので、
単にボタニカルアートの展示にとどまらず、芸術、歴史、文化、と、
いろいろな側面から見ることの出来る、とても見応えのある展示でした。

Capitain Cook's Voyage and
BANKS'FLORILEGIUM
2014.12.23 ~ 2015.3.1
(1月26日月曜日は休館)

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by oomimi_usako | 2015-01-22 18:35 | 展覧会 | Trackback | Comments(8)

2014年9月22日 だまし絵Ⅱ 進化するだまし絵

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渋谷のBunkamuraミュージアムで、八月から開催中のだまし絵展。
夏休みが終わるのを待ってから出掛けようと、楽しみにしていました。

タイトルに“Ⅱ”とあるように、今回が二回目のようですが、
あいにく一回目を見逃しています。
さらに、だまし絵と言っても、どんなものかよくわからないと困るので、
音声ガイドを借りることにしました。
美術展で、ガイドを使うのは初めてです。

音声ガイドのナビゲーターは、俳優八嶋智人氏。
聞きやすく面白いナビゲーションで、だまし絵の手法や、
その絵のコンセプト、裏話などなど盛り沢山の内容で、
絵画展を二倍楽しめたように感じました。

だまし“絵”と言っても、二次元のものばかりでなく、
立体の作品も展示されています。
解説があっても、頭の上に、
クエスチョンマークがたくさん並んでしまうものもあるし、
なるほどね~と頷きながら何度も眺めてしまうものもありました。

芸術の秋の一日。
ちょっと頭を柔らかくしながら見る美術展もまた、
良いものですね。

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by oomimi_usako | 2014-09-22 21:13 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

渋谷 Bunkamuraザ・ミュージアム デュフィ展

ザ・ミュージアムで現在開催中のデュフィ展。
ラウル・デュフィが、絵の勉強を始めた頃から、
印象派やフォービズムと出会って模倣する時期を経て、
光=色彩という独自の理論に到達する、その歩みを辿ることのできる展覧会です。
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デュフィというと、知識不足で、なんとなくシャガールに似た感じの絵を描く画家…
という認識くらいしかありませんでしたので、
回顧展ともいえる今回の展覧会は、大変勉強になりました。
油彩、水彩はもちろん、素描、版画、そしてテキスタイルに至るまで、
多種多様な作品を年代順に見ていくことが出来ます。
面白いことに、ガーデンデザインの模型や、
デザインしたタピスリーを使用したファニチャーもあります。
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亡くなったのが1953年ですから、描いたものも20世紀のフランス近代生活。
近代的生活に欠かすことのできない電気を描いた代表作“電気の精”などは、
見ていてすんなり親しめるような感じがします。

また、テキスタイルデザインや、夏のドレスのスタイル画などもありました。
その作品の多くが、島根県立石見美術館に収蔵されているようで、
伺ってみたところ、石見美術館のコレクション方針がこれらのようなテキスタイルデザインなのだそうです。
銀山ばかりに気を取られて、立ち寄り損ねましたので、足立美術館とあわせて、
いずれ訪れてみたいと思いました。
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“絵筆が奏でる 色彩のメロディー”というサブタイトルがついているとおり、
多くの作品に、明るく鮮やかな色彩が踊っていて、
見終わった後、気持ちが軽やかになる…そんな展覧会になっていました。

*デュフィ展
2014年6月7日~7月27日(7月2日のみ休館)
Bunkamuraザ・ミュージアム

不順な気候が続いております。
みなさま、お大切にお過ごしください。
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by oomimi_usako | 2014-07-01 18:12 | 展覧会 | Trackback(1) | Comments(4)

日本橋三井記念美術館 河鍋暁斎の能・狂言画

場所が場所ゆえ、美術展を見終わったらいつものように、
三越でお買い物しましょう、とか、
千疋屋でパフェを食べましょう、とか、
場合によっちゃぁ銀座でも寄ろうかしら、などと、
俗な企みを持って出掛けました。ところが、

 ー 千疋屋の パフェにも勝る 河鍋暁斎  usa子 ー
                   
見事な作品の数々に、とても感動しました。
たくさんのことを学んで吸収出来たあとは、大きな充足感に満たされて。
別腹にさえも余裕がなかったのは、私にしては珍しいことです。
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狩野派の絵師河鍋暁斎(かわなべきょうさい)と言ったら、
おどろおどろしい化け物の絵を描く人、と言う認識でした。
でも、自身が能や狂言を愛し、たしなんでいたこともあり、それらに因む作品がとてもたくさん残されているようです。
そんなことは、今回初めて知りました。
また、かの有名な建築家ジョサイアコンドルも、この河鍋暁斎に弟子入りして暁英と号し、絵を学んでいたということです。

展示では、屏風、扇、掛け軸はもとより、その元となる下絵やデッサン(ネタ)帖の類いまで、見応えのある作品が並びます。
散逸させずに収集されているのもまた、素晴らしいことで、
河鍋暁斎記念美術館を設立されたご曾孫の功績は、大いに評価されるべきものだと思いました。
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さて、ここからは印象に残ったものを覚え書。

“狂言面 白蔵主” 
最初の展示室の薄明かりの中、入るとすぐにお部屋の奥の方に置かれているこの狂言面が、なんとも言えぬ空気を漂わせながら、おいでおいでと呼んでいます。
この展示室は、往時をしのぶ重厚な木の壁に囲まれていて、三井記念美術館の中ではもっとも雰囲気のあるお部屋(大好き!)です。

“紋画帖”
白蔵主のお隣りに展示されています。
着物の端布を帳面に貼り付けてありますが、その柄は、作品を描くには大事な情報であったことが、このあとの展示を見ていくとわかります。

“能 狂言扇面貼交屏風”
扇の形の中に、能狂言の場面を描いているもの。
その構図のデザイン性と描きこんだ衣装の柄、着物の折り目など、細密画のようで素晴らしいものです。

“鬼女図”
鬼女に重ねて描かれた狐の姿が、今にも動き出しそうな体勢で見事。
気のこもった歌舞伎役者の舞台を見ているときに、ふと幻のように見える“ジツハ”の姿などが、まさにこれ。
自ら舞台に立った暁斎が、追い求めた役者姿なのかもしれません。

展示作品の中には、暁斎の娘、暁翠の作品もあります。
暁斎とは、少し雰囲気が異なっていて、私はやはり暁斎のほうが好きです。


関連企画である狂言の会(国立能楽堂)が、野村万作さんや萬斎さんのご出演でありますが、当然満席。出遅れました、ざんねん。
関連展も、太田浮世絵美術館(表参道)で開催中だそうです。
こちらは、かつて急な休講の折などに、ぶらり出掛けたところですが、最近だいぶご無沙汰しています。
新緑のけやき並木散策がてら、行ってみたいものです。


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by oomimi_usako | 2013-05-09 12:11 | 展覧会 | Trackback(1) | Comments(12)

サントリー美術館“歌舞伎 江戸の芝居小屋”展

三年間の休場期間を経た歌舞伎座が、
再開場するまで、もうあとひと月をきりました。

それを待ちわびるかのように、六本木東京ミッドタウンのサントリー美術館にて
第五期歌舞伎座新開場記念“歌舞伎ー江戸の芝居小屋”という展示会が開かれています。
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出雲の阿国から始まった“歌舞伎の歴史は、<役者>と<観客>とを結ぶ<劇場>を中心に展開してきた(パンフレットより)”という視点からまとめられた展示は、歴史的史料満載の歌舞伎ファンには垂涎ものの内容です。
一枚物の摺物や大判の錦絵、屏風などはそのまま観賞出来ますが、
綴りや図会、評判記などは、開いてある部分しか読むことが出来ませんので、
どうかして、全てのページを見られないかと思うようでした。

芝居絵に描かれる、舞台に見入る観客たちの姿は、時代は違えど今と変わらず。
・・・あら、あのお女中は、まるで私?
東都堀名所の錦絵には、帯裏に三升、高麗屋格子の前掛けという女性が描かれて。
・・・あら、このお女中も、私と同じ?
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( ↑ 私のキーホルダー。坂東玉三郎丈の花かつみの紋です。)
歌舞伎座で江戸時代にタイムスリップしても、きっと私、やっていけます(・・・?)。

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by oomimi_usako | 2013-03-06 15:39 | 展覧会 | Trackback(1) | Comments(8)

軽井沢千住博美術館とブランジェ浅野屋

この夏、軽井沢で楽しみにしていたことの一つ。
それは、昨秋オープンした軽井沢千住博美術館をたずねることでした。
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周りを、見事なカラーリーフガーデンに囲まれて立つ美術館の斬新な建物は、
建築家西沢立衛氏によるものです。
土地の起伏を、そのまま生かした床のうねり。
全面ガラス張りの壁や、大きな吹き抜けの向こうには、
美しいグリーンも楽しめます。
まるで、林の中で絵画鑑賞しているかのような美術館です。
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こちらでは、千住博画伯の作品のうち
初期のものから新しいものまでを、少しずつ見られます。
中でも、ナイトフォールという作品は、蛍光塗料を使用し、
ブラックライトで演出をするという珍しいもの。
見た瞬間、滝にあおられた流れの飛沫と水音を、
幻のように感じることが出来て、とても好きになりました。

また、フラットウォーターという作品は、
ハワイのキラウエア火山から流れ出て、海に注いだ溶岩の風景を描いたものですが、
そのうちの二点が、ちょうど浅間山の方向に掛けられていて、
なるほど、この地でこその展示の仕方だと思いました。

この軽井沢千住博美術館については、大変綺麗なHPがありますので、
お出掛けになるご予定のある方もない方も、どうぞ一度ご覧になってみてください。
 → こちら(軽井沢千住博美術館)
ここには、ブランジェ浅野屋の支店(HPは→こちら)があります。
テイクアウトはもちろん、イートインコーナーが設けられています。
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千住博美術館店だけの限定品もあり、
リンゴの焼き込められたパン(名前失念)や、可愛く飾られて売られているリーフ型のパンなど購入してみましたら、とても美味でした。

それにしても、カラーリーフガーデンは、なかなか素敵です。
エバーグリーンの植物も効果的に配置され、
カラーだけでなく、植物の高低さも計算されたガーデンは、
花の咲き誇る庭園とまた違った美しさが、ありました。
私もちょっと、凝ってみようかしら!

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by oomimi_usako | 2012-07-24 23:59 | 展覧会 | Trackback(2)


日々のあれこれと、美味しいものの記憶。


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