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日々のあれこれと、美味しいものの記憶。


by oomimi_usako
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国立劇場の今年の初春歌舞伎公演は、
40年ぶりの上演叶った通し狂言「しらぬい譚(ものがたり)」でした。

観たい、観たいと思いながらも、結局観られず一月は終了。
とても残念に思ったのも束の間で、なんと千秋楽から数日後の二月の初めに、
NHKBSのプレミアムシアターで、舞台録画が放映されました。
これは、ちょっと珍しいことです。

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もちろん録画しました。
ちょうど、時期的にお教室が忙しい時期で、
録画もできた安心から、しばらく寝かして置きましたが、
このたび、ようやく観ることが出来ました。


江戸の終わりから明治にかけての時代、“合巻”と呼ばれる長編小説が庶民に人気でした。
今でいう連載ものみたいな感じですね。

なかでも、最長を記録したのが、
1849年(嘉永2年)から1885年(明治18年)までの長きに渡り刊行された、
「白縫譚(しらぬいものがたり)」全90巻です。
原作は、柳下亭種員(りゅうかていたねかず)。
この人気小説は、河竹黙阿弥の脚色により「志らぬひ譚」として、
もちろん当時の歌舞伎舞台にも上りました。
こういう経緯は、いつの世も変わらないのですねえ。

舞台は人気となり、歌舞伎だけでなく、講談や浮世絵、のちには映画なども制作されたそうです。
国立劇場では、1977年(昭和52年)に「志らぬひ譚」として76年ぶりの復活上演をしているようですが、今回は尾上菊五郎丈を中心に、原作だけでなく今までの舞台化作品や講談などからもヒントを得て、脚本を新たに起こして製作されたということでした。


ストーリーは、江戸時代初期の筑前国黒田家のお家騒動を、主な題材にしていて、
黒田家は菊地家として登場します。
滅ぼした豊後国大友家の残党が、菊地家をお家存亡の危機に陥れようとするところを、
菊地家の執権である鳥山豊後之助が、智略を尽くして阻止していくというお話。
妖術を使う大蜘蛛や、
復讐に燃える大友家の若菜姫の怪しい力、
暗闇で目を光らせる大化け猫。
筋交いでの宙乗りやら、
屋体崩しやら、
大立ち回りなどなど、黙阿弥得意のスペクタクルフル(?)な展開は、
TVで観ていても楽しいものでした。


尾上菊五郎丈、菊之助丈、時蔵丈、松緑丈、團蔵丈など役者も勢揃い。
三時間に及ぶ上演でも、きっとお客さまは目の前の舞台に引き込まれて行ったことでしょう。
こいつぁ春から縁起がよいわぇ…と、少々遅ればせながらの、隼人町の初芝居を楽しみました。


途中演出で、通人の亀蔵丈が、“ピコ太郎”の扮装をして登場するところがあります。
これも、黙阿弥お得意の演出で、その時流行るものを自由に取り入れるというお約束の場面。
録画では、普通に面白かったのですが、どうやら千数楽も間近い1月23日には、
ピコ太郎氏ご本人がサプライズで舞台に登場されたらしく、
当日観劇のお客さまには良いお年玉になったことでしょう。
固いイメージのある国立劇場ですが、随分思い切ったものだとちょっと感心しました。


国立劇場開場50周年記念公演は、今月三月公演の千秋楽(27日)と共に終了します。
これから先の50年後、そしてまたそのさらに先の50年後、
歌舞伎は一体どんな風になっているのでしょう。
日本の代表的な伝統芸能として、良い意味で変わり、良い意味で変わらず、
賑々しく続いていってほしいと、そんな風に思っています。


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by oomimi_usako | 2017-03-24 22:09 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(4)

国立劇場開場50周年記念、平成28年12月の歌舞伎公演は、三か月かけて上演された通し狂言の最終月でした。
仮名手本忠臣蔵の八段目から十二段目まで。

それを、せっかくなので、ちょうど討ち入りの日(旧暦だとちょっとずれますが)に当たる12月14日に観に行きました。
劇場では、討ち入り当日の観劇記念のお品をいただきました。

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さて、まず八段目、道行旅路の嫁入。
幕開けは一面の松林。
チョンで、後ろに富士山が姿を現して、加古川本蔵夫人戸無瀬と娘の小浪による母娘の道行が始まります。
松の廊下事件の前に、小浪は、大星由良之助の息子である力弥との結婚が決まっていました。
父の加古川本蔵は、塩冶判官と同様に高師直からいわゆるパワハラを受けていた桃井若狭之助の家老でしたが、賄賂を届けて、主人へのそれをうまく回避してしまいます。
で、高師直は塩冶判官を余計に打擲することになりました。
さらに加古川本蔵は、松の廊下で師直に切りかかった塩冶判官を、後ろから抱き留めて制止してしまったのです。
そのため、お取つぶしになった赤穂藩からは、白い目で見られるようになってしまっていました。
それを知ってはいるものの、力弥の人柄を見込んでいた加古川家では、浪人している大星家の息子だって、なんとかお嫁入りさせたいと、この道行になるのです。

味がある魁春丈の戸無瀬と、もうちょっと嫋やかな雰囲気が欲しい児太郎丈。
でも、母(といっても後添えなので義理の仲)と娘の、婚礼を前にした浮き立つ雰囲気が、この先の悲劇を知っている私たちの眼には、とても儚げに映りました。

九段目、山科閑居の場。
山科にある大星家に、ようやく到着した母娘ですが、由良之助夫人に、縁談はなかったことにしてと言われてしまいます。
結局、心配で二人の後を付いてきた加古川本蔵が、自ら力弥に討たれる形で死ぬことで、娘は嫁ぐことが許されます。

由良之助は、先月の吉右衛門丈から梅玉丈へ。
夫人役は、メンバー的にちょっと珍しい笑也さん。
錦之助丈の力弥は、端正な雰囲気が御曹司らしくて素敵。
祝言をしてもらえることになった瞬間の、面々の様子は、静かな感動を誘います。
また、加古川本蔵が、瀕死の時“忠義ゆえに命は捨てないが、子のためになら命は捨てる”と言い放つところに、忠義の討ち入りばかりが際立つこのドラマの中に、もっとも人間らしい別な形のドラマを観ることが出来ると思いました。

この段の幕開けにある、普段は省略されがちな「雪転し」という場面が、今回、上演されています。
花道を、大きな雪まろげ(雪だるまの胴体部分)が、祇園帰りの由良之助とともに賑やかに通過していくのです。
それは、そのあと雪太鼓の音と共に静かにやってくる母娘の様子を、対比によって強調させる効果を感じます。

十段目、天川屋義平内の場。
これが、今回初めて見る段です。
いつも省略されてしまっていますが、今回は、完全上演なので、“真面目”に上演されました。
由良之助の依頼で、赤穂浪士に武器を調達提供した、堺の商人のものがたり。
本当に信頼できるか否かを、赤穂浪士たちにテストされ、無事合格しただけでなく、親子の縁も顧みない忠義心に浪士ら感動します。
義平役は歌六丈。
この方の朗々としたお声は昔から変わらずで、「天川屋義平は男でござる」という名セリフが、心地よく耳に残りました。
自分も武士なら、討ち入りに加わりたいくらいだと残念がる義平に、それならと由良之助があることを提案。
討ち入りの際の志士同士の合言葉を、義平の屋号の「天(あま)」「川(かわ)」とすれば、貴方も参加したことになるでしょうと、したのです。
それで、「あま」といえば「かわ」と答える。
これって、大事な段でしょう??
省いている場合じゃありませんよねえ。


十一段目、高家討ち入りの場。
あちらこちらで、ちゃんちゃんバラバラ。
結局、高師直は捕らえられ、首が討たれて、赤穂浪士らの本懐は遂げられます。
死んだ早野勘平の分も含めて48人として焼香をする柴部屋焼香の場面は、原作の財布の焼香をアレンジしたものだそうです。
花水橋を引き上げていく場面は、全員雁木の揃いの装束。
フォーティエイト揃うと、壮観に見えるのは、江戸時代から変わらないのかもしれない…などと、
余計なことを考えてしまいましたが、綺麗に例えるなら、宝塚のレビューのフィナーレのようで圧巻でした。

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やはり仮名手本忠臣蔵は、物語自体が面白いと思います。
竹田出雲と三好松洛と並木千柳の脚本家の力量が素晴らしいのです。
だから、役者がどうのこうのというのではなくて、脚本に忠実に物語りを追うことで、その面白さを存分に楽しめるというわけ。
役者は、その流れの興を削がないだけの演じ方をすれば、最低限…というよりもむしろ、思う存分観る側を楽しませることが出来るわけなんですね。
だからね、ブツブツ切って上演してばかりでは、あ・か・ん!のです。

最近、歌舞伎座は頼りにならないからね。
大変だとは思いますが、これからも頼みますよ、国立劇場さん。


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by oomimi_usako | 2016-12-29 15:35 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback

江戸城を挟んで東西対決

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11月は、歌舞伎座と国立劇場の双方で歌舞伎を観劇しました。

まず歌舞伎座は、吉例顔見世大歌舞伎。

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八代目中村芝翫とご子息三名の、一家揃ってという襲名披露公演となりましたので、口上のある夜の部を拝見しました。
歌舞伎の世界の次代を担う若者が、素直に育って順当に襲名される姿を観ると、とても安心します。
ただ、口上の他の演目が、ちょっと寂しいと感じたのは、私だけでしょうか。
お祝い出演の幹部の方々のお顔も、なんだか物足りなくて、あれれ?という感じ。
襲名直前に発覚した“ホンのオテツキ”が影響しているわけではないはずですが、
手放しの華やかさに彩られるはずの襲名興行が、なにかちょっとお地味な印象でした。

もう一つ観劇した国立劇場の方は、開場50周年記念興行と銘打って、10、11、12月の三か月をかけて、仮名手本忠臣蔵の完全通し上演中。
コストパフォーマンス重視の歌舞伎座では、最近上演されることのほとんどない段までも、しっかり上演しています。

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その上、役者が勢ぞろい。
みなさんこちらにおいでになったのですね。
個人的には、今見られる最高の仮名手本忠臣蔵なのではないかと思い、嬉しさに、観ていて笑みが浮かんでしまいました。
このお芝居、各段ごとに、流れる空気の温度や重さが違います。
通し上演だからといって、一人の役者さんにひとつのお役を当て続けることをせず、段によって配役を変えることで、
かえってお話の展開を、より分かり易くする効果があったのではないかと思いました。

というわけで、江戸城(?!)を挟んで、東の歌舞伎座と西の国立劇場。
行司はusakoで、軍配は勝手に西!に上げさせていただきます。

大好きな歌舞伎。
見始めるときりがないので、ひと月一回!と決めているのですが、来月もその禁を破り、再び東西対決と相成ります。
12月の歌舞伎座は、なんたって玉三郎さまがご出演。
一方国立劇場も、普段見られない段あり、討ち入りありのクライマックス。
さて、どうする、行司usako!

国立劇場のロビーも、歌舞伎座とはまた雰囲気が異なり、とても綺麗です。
シャンデリアも、

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日本らしいカーペットも、
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お気に入りです。









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by oomimi_usako | 2016-11-28 19:01 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(4)