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東銀座 ビストロヴィヴィエンヌ

歌舞伎座へ出掛けた折に、
開演まで時間が有ったり、幕間に退屈したりすると、
正面出入り口を出て、左回りでぐるりとお散歩することが、時々あります。

裏通りでは、雰囲気の良い入り口のお店を発見したり、
楽屋口あたりでは、
偶然、遅出(?)の歌舞伎役者さんの楽屋入りに出会えたり。
観劇の合間に、嬉しいおまけが体験できます。


いつ頃からだったでしょうか、裏の通りに気になっていたお店がありました。
入り口のドアは、ガラスではあるものの、見えそうで見えない中の様子と、
とても美味しそうなメニューの書かれたボードに、ずっと興味津々でした。

最近、ついにビストロヴィヴィエンヌというそのお店の扉を開く機会があり、ランチをいただきました。

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桜が咲いたはずなのに、雪の混じるような冷たい雨の日で、
ポタージュスープの温かさとお味が、身体にしみわたりました。
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メインには、ウサギを使ったお料理をチョイス。
頂きやすい美味しいお味で、旨みも歯ごたえも良いバゲットと併せていただき、
とても満足しました。
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デザートも追加出るのですが、時間が無くて、今回はコーヒーだけを頂きました。

こじんまりしたお店ですが、どうやらお料理も、またそれにあわせてワインも、いろいろ美味しいものがいただけるようです。
ランチだけでなく、夜の時間に、美味しいワインと併せてオーブン料理や煮込み料理を頂きに、
また訪ねたいと思いました。

その時は是非、テーブル席で。
なぜかというと、今回は、一人でしたのでカウンター。
お店の方とお話したり、常連と思われる方のお話を聞くのには最適でしたが、
私、あの座面の高いお椅子、ちょっと苦手なのものですから。


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by oomimi_usako | 2017-04-07 18:04 | おそとでお食事 | Trackback | Comments(4)

歌舞伎座 三月大歌舞伎

今月は、亡くなった坂東三津五郎さんの三回忌追善狂言も含まれている、昼の部をみました。
相変わらず歌舞伎話は長文になりますが、ご容赦ください。


まず、ひと幕目は、真山青果の“明君行状記(めいくんぎょうじょうき)”。
明君として誉れ高い、備前国藩主池田光政の、とある裁定合戦(?)のお話。
真山青果ですから、時代劇風でかつ、台詞重視。
明瞭な御発声で、お殿様を任せたらベスト3に入る(と私は思っている)梅玉丈が光政公で、これは適役。
対する善左衛門という役の坂東亀三郎丈、口跡も良く、抜擢成功という感じでしょうか。
お若い方が多く出演されていましたが、小さかった皆さんがまっすぐ大きくなられて、お姉さん(?!)は嬉しいです。

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続いて二幕目は、御存知“義経千本桜”から、渡海屋(とかいや)と大物浦(だいもつのうら)。
相模五郎役で、坂東巳之助丈が熱演されてました。
観るごとに、ああ、いいなあと思う度合いが増していく役者さんです。

渡海屋銀平ジツハ平知盛をおつとめになったのは、安定の片岡仁左衛門丈。
この方の昔と変わらぬ、ススーッとした尖がった感じやお顔立ちが、
鋭い印象(←個人的印象)の平知盛と重なってみえるので、以前から私は好きな役どころです。
最後に碇を身体に巻き付けて、海中へ仰向けで身を投げるところは、何度拝見しても良いものです。

典侍の局も安定の中村時蔵丈。
物語りを進める役目も担うので、要のお役となっていました。

お披露目したばかりの市川右近くんが、安徳帝を熱演(?)。
良く通る声で台詞もはっきり。ハナマルあげたくなりました。

終盤、浅黄の幕を下ろして舞台転換。
幕の裾には、砂浜と打ち寄せる波と水平線が描かれています。
ただの幕や暗転より、話が続く感じがして、待っていてもワクワクするのが良いなあと思います。
そして、その幕が振り落とされると、セットの岩壁の上に大きな碇が。
これから始まる知盛の死のシーンだと思う間もなく、ものすごい形相で血まみれの仁左衛門丈知盛が花道を駆け込んできます。
知盛の悲壮感を出すには、仁左衛門丈のあの線の細さと、長い御手足がぴったりだと思います。

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そして、三幕目が、神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)。
通称どんつく。
これが、十世坂東三津五郎三回忌追善狂言です。
三津五郎さんがお得意だった舞踊劇を息子の巳之助丈がつとめました。
舞台は、折しも亀戸天神。くず餅発祥の地(ひとつ前の記事をご覧ください)。
太鼓橋、藤棚、の書割に、お茶屋さん(たぶん)はありましたが、くず餅屋さんは、残念、ありませんでした。
追善狂言らしく、菊五郎丈はじめ、彦三郎、魁春、時蔵、團蔵、弥十郎、秀調に、海老蔵や松緑、私の好きな尾上右近丈もご出演で、皆さんが次々と踊りを披露するという楽しい舞台になりました。
賑やかで、華やかで、そして、これからも温かく、みんなで巳之助さんを見守って行きますよ、
というメッセージが込められた良いひと幕でした。

四月は、菊之助さんのお出になる夜の部を観る予定です。




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by oomimi_usako | 2017-03-27 18:56 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(0)

初春大歌舞伎 於:歌舞伎座

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平成29年の私の歌舞伎見物初めは、1月11日の歌舞伎座。
大好きな玉さまがご出演の、夜の部でした。
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ひと幕目。
北條秀司作の“井伊大老”。
桜田門外の変の前夜を中心に、その前と後の、
井伊直弼とその夫人や側室の心の有りようを見せていくもので、
お正月早々、重い内容のお芝居を良く思い切ってかけたものです。
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NHK大河ドラマに便乗したかったのでしょうか?
どうにも華やかさに欠ける幕開けでしたが、玉さま登場で少し気持ちが上がりました。
雛祭りの飾りが綺麗だったり、幸四郎丈の井伊直弼と、玉さまのお静の方が、
互いの心を語り合う場面や、歌六丈の仙英禅師のお話など、静かに感動出来ましたが、
やはりちょっと初芝居には向かない印象が残りました。
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二幕目。
踊りふたつ。
“越後獅子”を、故五代目中村富十郎のご長男、平成11年生まれの鷹之資くんが、
きっちり踊りました。
踊りのおさらい会にお付き合いさせていただいた、という感じですが、
名優富十郎氏のDNAが、やがて花開くことを願いつつ拝見しました。

続いて、本日のメイン、玉三郎丈の“傾城”。
昨年末の、白拍子花子の群舞(?)でも、ひと際キラキラしていた玉さまのオーラは、
お一人の舞台でも存分に散りばめられ、ようやっとお正月らしい雰囲気が歌舞伎座の舞台に漂いました。
後ろのお席の紳士がぽつり、“やっぱり、これを見ないとお正月じゃないね”と。
同感同感。
しっかり目のお正月をさせてもらいました。

三幕目は、松浦の太鼓。
染五郎丈や愛之助丈の壮年組が頑張って、お芝居を組み立てていました。
〆る役目は、変わらずお元気な左団次丈でした。

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今年一年、また、どんなお芝居に出会えるでしょうか。
出来れば、観たことのないお芝居を沢山見たいと思うのは、毎年のことではあります。
でも、たとえ、何べんもみたお芝居であったとしても、
新しい発見や改めて気づくことなどにいろいろ出会えたなら、
それはそれで、また楽しい観劇になるはずと、今からワクワクしています。





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by oomimi_usako | 2017-01-30 22:13 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(8)

十二月大歌舞伎 第三部

今月の歌舞伎座は、三部制。
夜の観劇は、帰りが寒いのでこの時期はなるべく避けたいところですが、迷わず最終の第三部を取りました。
ひと幕目も二幕目も、両方とも舞踊ではありますが、玉さまがご出演あそばされるからです。
綺麗な玉さまを、久し振りにじっくり拝見してまいりました。


ひと幕目、二人椀久。
玉さまはもちろん、松山太夫。
玉さま贔屓としては、どうしてもそちらに目が行きます。
すでに、何度も見ているこの舞踊ですが、最後に姿を消すところ、今回はスッポンに下りて行きましたけれど、照明効果で舞台上スクリーンの後ろに消える演出のものも確か有って、私はそれが良いなあと思っています。
それは、片岡仁左衛門丈との共演で、お二人のバランスも良くて、これぞ“花形歌舞伎”と言ってよいものでした。
今回椀屋久兵衛は、勘九郎丈。

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二幕目は、京鹿子娘五人道成寺。
白拍子花子さんお一人だって、華やかで綺麗な舞踊劇ですのに、今回は、綺麗な花子さんが五人も同時に見られます。
が、やはり玉さま八割で楽しみました。
他は、勘九郎丈、七之助丈、梅枝丈、児太郎丈。
気のせいか、お衣装のお色が、玉さまだけ少し薄目になっていたような?

お若い方々は、その姿だけでも可愛らしくて良いですね。
やがて、玉さまのように、佇むだけでもご見物方を魅了する女形になってゆかれるのが楽しみな、花子さんたちです。

数年前から、玉さまの道成寺がかかるたびに、
「これが最後の花子さんになるかもしれない」
と、思いつつ観に行って、しっかりそのお姿を目に焼き付けることにしています。
踊りの切れや、美しさにご自身が納得できなくなったとき、きっと玉さまはすっぱり舞台を去られるだろうと思うから。
今回、お若い方々を従えての舞台は、貫禄を超えて、凄みさえ感じられる玉さまの花子なのでした。
それにしても、綺麗な姿が揃って踊る様子はとても華やかで、この一年の観劇の締め括りに、ぴったりでした。

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今年も、残りあと二時間ほどとなりました。
12月は、ブログに書きたいこともたくさんありましたがなかなかパソコンに向かえず。
でも、せめて12月の歌舞伎観劇のことはなんとか今年中にと思い、お恥ずかしながら、この駆け込みUPです。
更新が終わったら、このあとは、元日の朝のテーブルのセッティングに取り掛かろうと思います。
クロスをテーブルに掛けてピンとのばし、
折敷と、乾杯の日本酒用の江戸切子のグラスをセットして。
お祝い箸は、手作りのお箸袋に入れておきます。

みなさまも、良いお年をお迎えください。
今年も、拙ブログをご覧くださいましてありがとうございました。


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by oomimi_usako | 2016-12-31 21:51 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback

9月6日 九月の歌舞伎座は、秀山祭。

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秀山というのは、初代中村吉右衛門の俳名です。
亡くなったのは、昭和29年なので、もちろん私は舞台を拝見したことがありませんが、
是非見てみたかったと思う役者さんのうちのひとりです。
当たり役も多く、歌舞伎界に残した功績は、役者・指導者・制作者…様々な面で、数多く今に伝わります。
秀山祭は、2006年9月に生誕120年を記念して、行われたのが初めです。
以来毎年9月、現吉右衛門さんはじめ、ゆかりあるお家の役者さん方が、見ごたえあるお芝居で長月の舞台見物を楽しませてくれています。

現在の中村吉右衛門さんは、母方の祖父であったこの初代の養子になり、二代目となりました。
なので、お兄さんである松本幸四郎さんとは、名字が違うわけですね。
ちなみに、初代中村吉右衛門の弟にあたるのが、先代中村勘三郎さん。
今の中村勘九郎さんのお父様ではなくて、おじいちゃまのほうです。
歌舞伎界は、養子縁組などが盛んにおこなわれていますので、あっちもこっちも親戚みたいなものです。

さて、その秀山祭、今年は、夜の部を選びました。
久し振りに、“妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)”の“吉野川(山の段)”が見られるのと、
これまた久し振りに玉三郎さまの綺麗なお姿がたくさん見られるという理由での選択です。

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まずひと幕目は、いきなり2時間がかりで“吉野川”。
近松半二や三好松洛らの合作の“妹背山婦女庭訓”という五段十二場の人形浄瑠璃の大作は、すぐ歌舞伎でも上演されるようになりました。

舞台中央に吉野川を作り、瀧車という昔からのやり方で、水が流れているように見せる舞台装置を配置します。
川は流れて客席に注ぎますので、客席は吉野川。
お客様は、さながら川面の泡ぶくという感じでしょうか。(私は二階桟敷より川面を見下ろしておりました)
川をはさんで、上手が紀伊国、下手が大和国という設定ゆえ、花道も上手下手両方に設置して、舞台も客席もひっくるめて
大きな空間でお芝居が進行します。

菊之助丈のお姫様姿の可愛いこと。
すっとするような美しさです。
彼女の恋のお相手が、染五郎丈で、これまたススーッとするような美しい若殿さまぶり。
腰元役の梅枝、萬太郎丈もかわゆらしくて、みていて楽しくなってしまいます。
14年ぶりの大判事役の吉右衛門丈、初代松本白鸚すなわち実父の型で今回は演じられたそうです。
そして、玉さまは、美しさに母の強さが加わって、鬼気迫るお姿も拝見出来ました。
こういうお役でも、魅力を存分に発揮されていることが、年齢の重なりを感じさせ、とても印象に残りました。

本花道、仮花道にそれぞれ立っての、吉右衛門丈、玉三郎さまの掛け合いは、仲の悪いお家同士のいがみ合い。
でも、やがて解きほどかれて変化していくところが、二人の大役者の腕の見せ所なのです。
舞台に渡ってからは、吉右衛門丈扮する、息子を切腹させなければならない父と、
玉三郎さま扮する娘の首を切らねばならない母のそれぞれの気持ちを、吉野川をはさんで交互に見せていきますが、
私としては、後者母娘のやり取りの方に、より心に訴えるものがありました。
お芝居の中では、息子と娘はどこまでも儚げで、また父と母はどこまでも厳しく、しかし心優しくなければなりません。
今回は、今ならではの役者を揃えて、今だからこその見ごたえのある、幕になったと思いました。

いま、この時、このお芝居を観られて良かったとおもうことは、なかなか多くはないのですが、
良いものを見せて貰ったと思えるひと幕でした。

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ふた幕目は、らくだ、というお芝居。
実は、こちらも先月見た新作芝居同様に、落語から歌舞伎に脚本化されたお芝居です。
昭和三年三月本郷座初演で、ベースは三代目柳家小さんの「らくだ」。
ちなみに、作者岡鬼太郎氏は、洋画家岡鹿之助氏のお父さまです。
松緑丈は、世話物をするのには姿は良いのですが、台詞の抑揚のつけ方にちょっと癖があって、聞きづらいのがいつも気になります。
歌六さん、お役の雰囲気が珍しい感じで、面白かった。
だんだん酔っぱらっていく染五郎丈がウマイ!
先月の新作よりもより、ドタバタして面白くさせるという感じなので、笑て笑っておしまいになります。
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三幕目は、元禄花見踊。
これは、玉三郎さまを中心に、若手勢ぞろいの舞踊です。
元禄時代のお花見の様子を、もうただただ綺麗に華やかに表した、まるで宝塚レビューのようなひと幕でした。
私は、若手の皆様のお顔暗記(?)にその時間を費やしてしまい、肝心の玉さまの踊りに五割ほどしか集中できなかったのが、
少々残念でありました。

今回も、長文、最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました!



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by oomimi_usako | 2016-09-06 22:24 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(0)

納涼歌舞伎をご一緒に。

はじめに・・・

歌舞伎座デビューをなさりたいかた、
今月はお勧めですよ~。

以下は、お馴染み、usakoの歌舞伎観劇記録。
毎度長文、平にご容赦。


毎夏、八月の歌舞伎座は、夏休み仕様です。
若手が活躍出来たり、新しいことを試みたりする場を設ける、
という興行側の目的と、
一回あたりの上演時間を短く、観劇料も若干下げて、お芝居を見易くする、
というご見物側のメリットを、提供する目的。

そこで、日頃は、平日一人でゆっくり見物する私も、
ひさしぶりに殿を誘って、一緒に観劇に出掛けました。
数年に一度くらいしか、歌舞伎を観ない殿は、
新装なった歌舞伎座が初めて。
ならば、まずは、見学から。

歌舞伎座五階の屋上庭園は、緑もすっかり育ち、
銀座のオアシスとなりました。
夕方の東からの風が、気持ちよく渡っていきます。
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こちらは、黙阿弥邸にあった灯篭です。
折しもこのあと、黙阿弥の作品を観ることになりました。
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歌舞伎座前から見ると、屋根の後ろにそびえる歌舞伎座ビルも、
五階から見上げると、こんな感じです。
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四階へは、まるで南禅寺の大屋根のようなお屋根を見ながら
“五右衛門階段”を降りていきます。
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右手に、幕見の席待ちの方の列をみながら、反対側に進むと、
往年の名優のパネルを、説明書きと共にみることができます。
併設の博物館は、残念ながら時間外でした。
こちらは、三部制という認識はお持ちでないようです。

さて、お待ちかねのお芝居。
ひと幕目は、舞踊劇の“土蜘(つちぐも)”です。
“土蜘蛛”という謡曲を元に、河竹黙阿弥が五代目菊五郎のために
書いたもので、尾上家のお家の芸“新古演劇十種”のうちの一つに
加えられているものです。

今回は、音羽屋さんではなく、成駒屋さんの橋之助丈ご一家が、
襲名前の名前での勢揃い。
そこに、いまをときめく中堅若手がご参加です。
立ち回りは、幾重にも束にした白い蜘蛛の糸が、
サアッと何度も投げられるので、エキサイティング。
この演出、実は、明治初期の初演の時からすでに行われているのものです。

橋之助丈の安定感抜群。

市川團子くん、しっかりきっちりお勤め。先が楽しみ。

宗生くんと、宣生君は、お声がまだ安定していないようですが、
それもまた、若さなのでしょうね。

でも一番頑張ったのは、ちいちゃな波野哲之(のりゆき)くんかもね。
自分が何かをすることで、お客様が喜ぶということを、
こうして意識の下に記憶していくのでしょうか。
それも舞台人として大切な幼児教育かと、思いましたが、
同時にまた、おとうさまや、おじいちゃまにそっくりの姿やお声の
役者さん方をみていると、DNAのなせる業の見事さに、
静かな感動を覚えるのでした。
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ふた幕目は、新作”廓噺山名屋浦里(さとのうわさやまなやうらざと)”。
とても面白い新作もののお芝居でした。
笑福亭鶴瓶氏が、2015年に新作落語として口演したものを、
勘九郎丈がみて、歌舞伎化を思いつき、今回の上演となったそうです。
もともと鶴瓶さんは、某TV局の楽屋で、タモリさんから聞いた話をもとに、
この落語を作ったらしく、完全に現代の人々の創作。
でも、歌舞伎の定石をしっかり捉えた筋立ては、江戸期の作品の復活上演、
と言っても違和感がないほど、しっくり歌舞伎の舞台に馴染んでいました。
筋も分かり易く、心温まる内容です。

勘九郎丈、メディアを通じて察するご本人のお人柄が、
そのまま投影されたようなお芝居は、自然体で、観る者も心地よくなります。

七之助丈、綺麗なお姿は、見ごたえあり。お声も良く通り、また、
途中で台詞がガラリと変わる(ネタバレになるので詳細はナイショ)ところから、
ますますご見物を引き込み見事です。

扇雀丈、この中ではかなりお年上のほうになりますが、
落ち着いたご様子が、一座も、舞台も、引き締めてらして良かった。

弥十郎丈、亀蔵丈は、このお役なら、あなたでしょう!という嵌り方。

そして、鶴瓶さんのご子息駿河太郎さんは、歌舞伎の舞台に、
ちょっと違った風を吹き込むお芝居。程よいスパイスになっていました。

また、今回とても見応えのあったのは、
舞台の装置や転換方法、照明の使い方です。
華やかな廓がせり上がってきたり、
廻り舞台で建物の広さを演出してみたり。
歌舞伎座の舞台機構を、存分に生かして利用しているのが斬新で、
この考え方で、一律になってしまういつもの演目が少しお化粧直し出来ると、
また歌舞伎の新たな一面が、見えてくるのではないかと思いました。
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usako補足>
帰り道々、殿のご感想を拝聴。
・橋之助さん、誰かわからないほどの変わりようにびっくりした。
・蜘蛛の糸の片づけ方に、コツがあることがわかった。
・お話が分かり易くて、面白かった。
・駿河太郎さんを、ライブで(?)観られて良かったし、良い役者さんだと
 思った。
・舞台装置が、見ごたえがあって良かった(私の感想と同じ部分)。
・歌舞伎座自体、綺麗に変わっていて、良いと思った。
 レッドカーペットならぬ、レッドエスカレーターに驚いた。
だそうです。
その上、歌舞伎とは全く違う分野の、殿の良く知るある方が御観劇で、
偶然お目にかかってお話出来たことを、観劇以上に喜んでいました。


さて、9月は秀山祭。
私は玉三郎さまのご出演なさる夜の部を、
観劇いたします。
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by oomimi_usako | 2016-08-13 16:10 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(4)

歌舞伎座 六月大歌舞伎 第二部

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歌舞伎座の六月大歌舞伎は、義経千本桜を三部制で上演。
珍しくそれぞれの部に、サブタイトルも付けちゃいました!
第一部が“碇知盛(いかりとももり)”、第二部が“いがみの権太”、
第三部が“狐忠信”。
これらすべて登場人物の愛称で、それぞれがその部分のストーリーの
メインキャストという意味で名付けたそうです。
私は、第二部を観に行きました。
長編の時代物であるこのお芝居の、ちょうど中間部“木の実(あるいは
椎の木とも呼ばれる)”“小金吾討ち死”そしてこれを見ると柿の葉寿司が
食べたくなる“すし屋”という幕です。

お話のあらすじは、もうみなさん周知のことなので、ここでは割愛させて
いただき、いつものようにミーハーな目で見たあれこれを。
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まずはやはり、いがみの権太を演じた松本幸四郎丈。
悪人の顔、子を想う親の顔、そしてある意味で親に孝行する子供の顔。
それぞれの場面で、別人と言っても良いくらいのキャラクターの違いを
見せ乍ら、全場面に渡って扇の要となっておいででした。
第二部を締めていたのは、やはりこの方でした。

それから、大活躍だったのが尾上松也丈。
TV番組にもお顔を出されているようですが、ここのところ舞台でも
奮闘されているお姿を良く見るようになりました。
端正なお顔立ちで惹きつけた多くのファンを、更に演技を磨いて
虜にして欲しいものです。

お里が、市川猿之助丈。
襲名以来初めて拝見、というより、そもそもこの方の舞台は、
お若い頃のを数回しか見たことがありません。
丸顔が可愛らしく、とても良いお里。
この方、立女形というより、女形一本で行ったほうが良いんじゃない
かしら?という感じ。
でも、さすが当代の人気役者だけあって、昼下がりの長丁場である
“すし屋”の段で、ご見物をぐいぐいひっぱって、
惹きつけていらっしゃいました。
まっ、お里がキツネチックに動くのが、若干気になりましたが。

そして、終盤首実検の場面には、梶原景時で、坂東彦三郎丈がご登場。
少しだけの出演ですが、こういう役者さんが出ると、
座がますます締まります。
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さてさて・・・。
三人の人物をそれぞれに描き出す、という趣向(?)で、
三部に分けられたこのたびの義経千本桜。
ストーリーを把握している人間からみれば、
ブツブツ切られて却ってわからんっ…
と、言いたいところをぐっと我慢して。
ビギナーの皆々さまが、この三人の人物を取っ掛かりにして、
義経千本桜をどのように受け止められたか、じっくり伺ってみたい気が
いたします。




                         ‐
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by oomimi_usako | 2016-06-25 08:26 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(4)

歌舞伎座 四月大歌舞伎 昼の部

今月は、昼の部に出掛けました。
三年ぶりの再演叶った、幸四郎丈の不知火検校を観たかったので。
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その前に、まず一幕目。
舞踊の松寿操り三番叟(まつのことぶきあやつりさんばそう)。
尾上松也くんが後見役で、あやつり人形の染五郎丈を糸で操り、
三番叟を躍らせます。
もちろん操り人形であるからには、糸を操られて動くように
踊らなくてはなりません。
後見とのタイミングの取り方も難しいはずですが、
気持ちよい程絶妙なコンビネーション。
途中、絡んだ糸を直す振りまであってそれがまた面白く、
あっという間のひと幕でした。
染五郎丈の人形振りは、まだうら若き美少年(?)の頃になさった“京人形”というお芝居が、とても印象に残っていますが、アクロバティックともいえるこの三番叟では、壮年期の染五郎丈の演技がとても印象に残りました。
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二幕目が、今回のメイン、不知火検校(しらぬいけんぎょう)。
このお芝居は、三年ぶりの上演。
もともとは、宇野信夫氏が昭和35年に十七代目中村勘三郎のために書き下ろしたものです。
親の間違い(殺人)の因果応報か、生まれた時から盲目の富之助という青年が、数々の悪事を働きながら、富と力を手に入れていくのですが、やがてその悪事が露見して、お縄にかかるという話。
暗転で降りてくる幕も、おどろおどろしい不知火が書かれているという怖い演出がしてあります。
人間の悪の心が、次々と舞台の上で展開していき、次から次へと良くこんな悪いことが考え出せるものだとあきれるほどです。

このお芝居は、歌舞伎のように見えますが、実は、歌舞伎というより現代劇に近いものではないかと感じました。
悪の華が咲くほどに展開する歌舞伎芝居が、鶴屋南北や河竹黙阿弥らによって書かれ、今日に至るまで観客を魅了してきました。
不思議なことに、それらのお芝居のエンディングには、
救いがあるように思います。
主人公に訪れる結末がたとえ最悪のものであったとしても、引かれていく幕に拍手をしながら、なにか清々しいものを感じられるのです。
ところが、この作品には、それがありません。
徹底的に打ちのめされた悪だけが残り、後味の悪いことこの上なく、“只今、20分の幕あいです…”という劇場内のアナウンスがいつも通りに流れても、なんだかスッキリしない、そういうお芝居なのでした。
まあ、それがこの作品の良さでもあるのですけれどね。

幸四郎丈さすがの迫力。
このお芝居では、若手の皆様が多数ご活躍でした。
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というわけで、三幕目は、思いっきり御口直し。
身替座禅で、面白おかしく締めくくります。
たぶん今の役者さんの中では、この組み合わせがいちばん面白いのではないかと思われる、仁左衛門丈の右京に、左団次丈の奥方玉の井。
気分もすっきり元に戻り、そして今月も足取り軽く、歌舞伎座をあとにしたのでした。

usakoのおやつ>今回も、お気に入りの席での観劇。
そして、幕間のおやつはこちら。
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以前にも箱買いしたときに、ご紹介したことがありますが、
熊本名物黒糖ドーナツ棒。
地元では有名なフジバンビ社製の、歌舞伎座限定仕様のドーナツ棒です。
第24回全国菓子大博覧会九州in熊本では、リッチモンドクラブ賞を、
また、第25回全国菓子大博覧会では、名誉総裁賞を、
それぞれ受賞したそうですが、納得のとても美味しいお菓子です。
軽食の売店にありますので、ご自身のおやつに、
あるいは、ちょっとした歌舞伎土産に、是非どうぞ。
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by oomimi_usako | 2016-04-22 22:28 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(0)

三月歌舞伎座は、花吹雪。

今月の歌舞伎座は、三月大歌舞伎。
中村芝雀丈の、五代目中村雀右衛門襲名披露公演でした。
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それならば、やはり口上を観たいので、夜の部を観に出掛けました。

一幕目は、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)より、
“角力場”。
このお芝居は、もともと世話物人形浄瑠璃として、人気の三大作家である
竹田出雲、三好松洛、並木千柳の合作として書かれました。
人形浄瑠璃での評判はさほどでもなかったようですが、
その後歌舞伎の上方狂言として上演されて人気が出たものです。
お芝居自体は、九段目まである長いもので、当初(天保年間)は通し上演
されていたそうですが、その後は、二段目にあたる“角力場”と他いくつかの
場面を取り出して上演されてきました。

近年になって、国立劇場で通し狂言として復活されたことがあり、
当時は話題になったそうですが、それは昭和43年9月のこと。
内容的にはなかなか面白い狂言だと思うので、是非とも、
通し狂言としてみられる機会を作っていただきたいなあと思いました。
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さて、そのひと幕目、今回は、菊之助が二役。
相撲フリークで、贔屓の相撲取りがある町屋の若旦那ハンと、
真面目で一途な若手関取を演じ分けます。
これが見事。
育ちの良いボンボンのちょっと喜劇的な表現も巧く、また、
関取の若々しさを、張りのあるお顔立ちと伸びやかなお声で素敵に表現して、
上々吉。
それを受ける立場の風格と貫禄のある大関力士の役は、橋之助丈。
こちらもまた、重みがでていてよかったです。
このお二人の組み合わせ、なかなか見ごたえがありました。
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ふた幕目は、待ってましたの襲名の口上。
内輪話などもちらりと聴けて楽しめます。
舞台に居並ぶ、総勢19名の、今をときめく幹部級歌舞伎役者さんたち
お一人お一人に、そして、これから新しく中村雀右衛門としての道を
歩きはじめる芝雀丈に、客席からは温かい拍手と、たくさんの掛け声が、
贈られていました。
*出演俳優(ご参考)
 坂田藤十郎、片岡仁左衛門、片岡秀太郎、中村歌六、中村扇雀、
中村又五郎、中村魁春(かいしゅん)、中村梅玉、尾上菊五郎、
中村吉右衛門、片岡我當、中村東蔵、中村鴈治郎、中村橋之助、
中村時蔵、尾上松緑、大谷友右衛門、松本幸四郎。(ご挨拶順)
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三幕目は、祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)より、“金閣寺”。
こちらもまた、宝暦年間に五段ものとして初演された人形浄瑠璃の中の、
四段目だけが、今日“金閣寺”として上演されています。
よく言われていることなのですが、“もっとも歌舞伎らしい演目”であり、
場面も、筋立ても、役者も、そして演出方法までもが、まさに、歌舞伎。
初めて歌舞伎をご覧になる方には、是非選んで頂きたいもののひとつです。
定式幕があくと、京都金閣寺が舞台中央に設えられています。
春爛漫で、金閣寺の屋根の高さほどの桜木が、満開の花盛り。
その下で、お芝居が展開していきます。
雀右衛門丈演じるのは、桜色の打掛に身を包んだ、雪姫。
可愛らしく、健気。
でも、いざという時には、賢く勇気のある行動をとる歌舞伎の
代表的な“三姫”のうちのひとりです。
私は、玉三郎さまの雪姫が好きで、見る機会も多く、一番の見せ場である
“爪先鼠”の人形振りで演じられるバージョンもみましたが、
当代雀右衛門丈の雪姫もまた、小さいながらも大奮闘する様子が
可愛らしくて好きです。
お芝居全体としても、季節がマッチしていて、少し早めの桜吹雪が
楽しめる上に、役者も揃っていて、とても見ごたえのあるひと幕でした。
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最後の四幕目までの幕間は、10分間。
その間に、幕の裏、舞台上は大騒ぎ。
ブォンブォンと凄い音で掃除機(!?)を掛けて、降らすにいだけ降らした
桜の花びらのお掃除です。
一階最前列前の通路には、こぼれた花びらがたくさん落ちていて、観劇記念
にお持ち帰りになる方も見られました。

そして、関三奴。
長唄に乗せて、毛槍を操る奴、三人。
鴈治郎丈と勘九郎丈と松緑丈。
威勢の良い、中堅三人がそれぞれの個性が溢れる踊りをみせてくれました。

夜の部全体的に、温かみを感じられる良い内容に感じられたのは、
たぶん五代目雀右衛門さんのお人柄が反映されたからではないかと、
そんな風に思います。
小さい御身体で、嫋やかに可愛らしく芝雀という女形を演じてこられた方が、
これから大名跡である雀右衛門をどう務めて行かれるか、これから先が
とてもとても楽しみだと思いました。

usako補足>今回は、歌舞伎座でばったり、元の会社の先輩にお会い
しました。お席は少し離れていましたが、幕間はご一緒にお食事などしながら、
歌舞伎のお話(先輩も歌舞伎好き)に花が咲きました。
私は、たいていいつも一人でじっくり観劇しているのですが、
幕間の歌舞伎談義も楽しいものです。
終演後も名残惜しく、少しお茶などご一緒していろいろお話いたしまして、
これからは、是非時折ご一緒いたしましょうとお約束して、
花冷えの夜風に余韻の残る木挽町を、あとにいたしました。
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by oomimi_usako | 2016-03-27 15:35 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(6)

歌舞伎座 二月大歌舞伎 昼の部 

今月の歌舞伎座では、昼の部の通し狂言新書太閤記を観ました。

昭和14年(1939)12月の歌舞伎座が、初演のお芝居です。
原作は吉川英治氏で、その年のお正月から新聞紙上に連載されて
大人気となったものを、先代(六代目)菊五郎丈が、連載中から
歌舞伎として作り上げました。
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いままで何度も上演されてはいるものの、七代目の思い入れを
たっぷり詰め込んで、今回の上演となったようです。
大筋としては、良く知られた秀吉の出世物語なので、あたらめて
あらすじを追う必要はありません。
その分、セリフをよく聞き、役者さん方の表情や仕草を注視して、
お芝居そのものを楽しむことが出来ました。
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台詞のテンポもちょうど良くて、話の展開の早いこと早いこと!
でも、それらに決して無理はなく、むしろ快く舞台にのめり込めました。
その結果、もしかしたら、今の歌舞伎が見直すべき点は、ただひとつ。
テンポだけなのかもしれない…などとも思えてしまいました。

さて。
舞台上では、七代目菊五郎丈が“最初から太閤殿下”の雰囲気を
醸し出している、ということだけには、片目をつぶる必要があります。
秀吉を描いた物語は数々あり、今日に至るまでに様々な角度から様々な
秀吉像が描かれてきました。
秀吉、といったときに、教科書の絵ではなくて、ある役者さんの
お顔が浮かんでくるという方も多いことでしょう。
でも、すべては後の世の人の、想像にしかすぎません。
菊五郎丈は、いままでなんとなく作りあげられてきたイメージとは、
凡そかけ離れた秀吉を演じていましたが、この通し狂言をじっくり
観ているうちに、なんだかそれが新しい秀吉のイメージとして、
塗り替えられて定着してしまったような気がしています。

また、今回は、あれこれ工夫をされながら、足したり削ったり、
たぶんお稽古をなさりながらも舞台をまとめてこられたのでしょう。
最初に出来たちらしには、“庄内河畔より、中国大返しの場まで”と
記されていて、役名をみると浅井長政が登場するはずでしたが、
初日にはそれらが変更されていました。
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すでに上演を重ねた演目も、磨き、練り上げることにより、より一層
見ごたえのある面白いものになって行くのだと、実感できる舞台でした。
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usako補足その1>錦之助丈、御病気のため休演。心配です。

usako補足その2>歌舞伎座と言ったら人形焼。
毎回飽かずお土産に買い、それとは別に、幕間のおやつにと、
焼き立てを買います。
ハフハフしながら食すのがまた、かくべつかくべつ。
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by oomimi_usako | 2016-02-26 17:47 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(2)


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