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歌舞伎座 二月大歌舞伎 昼の部 

今月の歌舞伎座では、昼の部の通し狂言新書太閤記を観ました。

昭和14年(1939)12月の歌舞伎座が、初演のお芝居です。
原作は吉川英治氏で、その年のお正月から新聞紙上に連載されて
大人気となったものを、先代(六代目)菊五郎丈が、連載中から
歌舞伎として作り上げました。
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いままで何度も上演されてはいるものの、七代目の思い入れを
たっぷり詰め込んで、今回の上演となったようです。
大筋としては、良く知られた秀吉の出世物語なので、あたらめて
あらすじを追う必要はありません。
その分、セリフをよく聞き、役者さん方の表情や仕草を注視して、
お芝居そのものを楽しむことが出来ました。
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台詞のテンポもちょうど良くて、話の展開の早いこと早いこと!
でも、それらに決して無理はなく、むしろ快く舞台にのめり込めました。
その結果、もしかしたら、今の歌舞伎が見直すべき点は、ただひとつ。
テンポだけなのかもしれない…などとも思えてしまいました。

さて。
舞台上では、七代目菊五郎丈が“最初から太閤殿下”の雰囲気を
醸し出している、ということだけには、片目をつぶる必要があります。
秀吉を描いた物語は数々あり、今日に至るまでに様々な角度から様々な
秀吉像が描かれてきました。
秀吉、といったときに、教科書の絵ではなくて、ある役者さんの
お顔が浮かんでくるという方も多いことでしょう。
でも、すべては後の世の人の、想像にしかすぎません。
菊五郎丈は、いままでなんとなく作りあげられてきたイメージとは、
凡そかけ離れた秀吉を演じていましたが、この通し狂言をじっくり
観ているうちに、なんだかそれが新しい秀吉のイメージとして、
塗り替えられて定着してしまったような気がしています。

また、今回は、あれこれ工夫をされながら、足したり削ったり、
たぶんお稽古をなさりながらも舞台をまとめてこられたのでしょう。
最初に出来たちらしには、“庄内河畔より、中国大返しの場まで”と
記されていて、役名をみると浅井長政が登場するはずでしたが、
初日にはそれらが変更されていました。
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すでに上演を重ねた演目も、磨き、練り上げることにより、より一層
見ごたえのある面白いものになって行くのだと、実感できる舞台でした。
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usako補足その1>錦之助丈、御病気のため休演。心配です。

usako補足その2>歌舞伎座と言ったら人形焼。
毎回飽かずお土産に買い、それとは別に、幕間のおやつにと、
焼き立てを買います。
ハフハフしながら食すのがまた、かくべつかくべつ。
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by oomimi_usako | 2016-02-26 17:47 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(2)

心華やぐ歌舞伎座初春大歌舞伎。昼の部は初詣気分。

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今年の観劇初めに出掛けてまいりました。
歌舞伎座初春大歌舞伎昼の部。
一年間通してみると、やはりお正月の歌舞伎座がいちばん好きです。
ご見物のみなさまのお召し物も、ひときわ美しく、
それを拝見しているだけでも、楽しい気持ちになります。
客席に入ると、真っ白に雪を頂いた霊峰富士の緞帳が目前に。
そして、幕が上がり、今年最初で最初(?!)の幕が始まりました。

ひと幕目は、廓三番叟。
黒地に鶴の舞う、豪華な打掛の掛けられた舞台。
奥に、雪吊りの松の書割、襖には、竹梅の描かれたところへ、
孝太郎丈の千歳大夫と、種太郎丈の新造松ヶ枝が、朱の酒器を持って登場します。
おめでたさ満載のひと幕にうっとりしました。

ふた幕目は、義経千本桜から鳥居前のひと幕。
京の伏見稲荷の鳥居前です。
紅白の梅の吊りものの下に、門之助丈の義経の白いお衣裳、
児太郎丈の静御前の赤のお衣裳、逸見の陣羽織、忠信のお衣裳なども含めて、
黒、金糸の刺繍が施された着物のお役の方が多く、華やかさを感じられます。
歌舞伎は、その様式美の中に、衣装の美しさが占める割合も大きく、
それが、見ていて楽しいと思う理由の一つにもなっています。
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三幕目。
梶原平三誉石切。
鶴ケ岡八幡社頭の場。
幕が上がると、八幡様のお社が正面に見えています。
この前幕が、伏見稲荷の前でしたので、まるで歌舞伎座で、
あちらこちらの初詣をさせてもらっているかのようです。

この幕も紅白の梅の吊りもの。
舞台上にも紅梅白梅が配置され、季節感がマッチしているので、
なんとなく観ていてもストレスフリーな印象。
最近特に観る機会が多くなりました、吉右衛門丈のこの梶原景時。
舞台上には、歌六丈、又五郎丈、歌昇丈、種之助丈と、
兄弟親子が揃って、さながら播磨屋スペシャルです。
六郎大夫と娘梢のやり取りの間、静かに淡々と刀の準備をする景時の様子が、
とても美しく、こういうお役は、吉右衛門丈にぴったりだと思いました。
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四幕目。
松羽目ものの舞踊、茨木。
初春から坂東玉三郎丈を拝見出来て、とてもうれしいこと。
夜の部の美しい夕霧と、どちらにするか悩みましたが、
敢えて老婆から茨木童子に変身する玉さまを選びました。

お囃子に十三世田中傳左衛門が出ておられました。
ちょうどこの方が、七世田中源助から今の名に襲名された舞台が、
やはり玉さまの茨木の、小鼓でした。

この幕も、親子出演があり、松緑丈と左近君。
今回の松緑丈、拝見していて、まるで人形浄瑠璃の頭のようだと思いました。
とても見映えがして品があります。
この方は、こういう姿が似合うのだなと。
この線でご活躍なされば良いのにと、思いました。

気配を消して、玉さま花道よりご登場。
ただ綺麗なだけではない玉さま。
様々なお役をなさるとき、それをどう演じられるのだろうかと、
想像する楽しみもある役者さんです。
このお姿を見られただけで、この日、観に来た甲斐があったと思うのでした。
後シテの茨木童子の玉さまも、圧巻でした。
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usako補足>
来月は、夜の部の、菊之助丈の揚巻にこころ惹かれましたが、
でも、夜の観劇は寒いからねえ。
ということで、昼の部、吉川英治の新書太閤記を通し狂言でみてまいります。
秀吉を菊五郎、へ~。
信長が梅玉、ほぅ~。
光秀が吉右衛門、ふ~ん。
・・・観劇後の感想や如何に!!!
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by oomimi_usako | 2016-01-23 16:12 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(6)

2015年9月9日 歌舞伎座にて秀山祭九月大歌舞伎を観劇

(いつものように、歌舞伎のお話ゆえ長文です)

九月の歌舞伎座は秀山祭。
秀山というのは、初代中村吉右衛門丈の雅号で、
先代の偉業をたたえ、その名を冠して十年前から毎年行われている興行です。
今の中村吉右衛門丈は、その養子さんになります。
先代吉右衛門丈の得意としたお役柄か、時代物の重みのある、
いわゆる歌舞伎らしさたっぷりのお芝居がかかります。
役者さんがたも、八月とはまた打って変わって、ベテランが揃ってご出演。

今月は、夜の部の伽羅先代萩の通し狂言を観劇しました。
この演目、通しで見ると、実にわかりやすく、
また、趣向が凝らされているので面白くて、なかなか楽しめる内容です。
八月のデビュー戦(?)に臨んだ方がお有りでしたら、
続けて今月の夜の部をご覧になれば、歌舞伎の楽しさが、
更にお解りになることと思います。
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はじめは、花水橋の場。
足利のお殿様は梅玉丈。
この方、こういうお殿様役が、いつも妙にお似合いです。

次は、竹の間。
私の目指します、坂東玉三郎丈が、政岡でご登場。
かつて玉三郎さんを見始めた頃は、まだ歌右衛門丈もご健在でしたので、
そんな中で、政岡を初めてなさるとなったときは、まだまだだのなんだの
いろいろ言われておいででした。
今となっては、誰もが認める政岡役者になられましたね。
ファンとしては、嬉しい限りです。
同時に登場の八汐という、こわーい奥方様のお役。
いつも立役の方がなさります。
それを歌六丈。
怖さが面白さにもなるこのお役、今までで一番良かったと思うのは仁左衛門丈の時。
でも、歌六丈も、眼力のある役者さんなので、なかなかFunnyでお似合いでした。
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続いて御殿。
先代萩は、お芝居の中に散らばる様々な所作も観処です。
御殿の奥座敷で、お水を運んで手を洗ったり、ご飯を炊いたり。
この、通称飯炊(ままたき)と呼ばれる場面は、政岡が若君のために、
自らご飯を炊くというお芝居。
この世で一番お品の良い、優雅なご飯のお仕度が見られる楽しい場面です。
玉三郎丈の手元がとても美しく綺麗です。

さらに、竹の間とこの場は、子役が見せ場を作るお芝居でもあります。
長い間、きちんと座っていられて、良く通る声できっちり台詞が言える子役が
出演すれば、半分は成功していると言えましょう。
今回の千松役も、小さいながらも好演です。
この幕でも、子役と政岡の掛け合いが見どころ。
随所に見られる政岡の、実子千松に対する母親らしい仕草を、
記憶に留めながらみるのです。
そうすると、次の場面でこの母子に降りかかる悲劇が、
より心にしみることになるでしょう。
千松は、毒入り菓子を食べて主君である若君の命を、身代わりになって救います。
八汐にとどめを刺されて息絶える我が子の様子を眼前に見ながらも、
なお若君を守り続ける政岡の、心意気や迫力が、舞台から伝わります。
その後、ひとり座敷に残された政岡が、亡骸となった千松に対峙するところで、
客席にも涙を誘う、このお芝居のクライマックスが訪れます。
ハンカチでそっと目元をぬぐっておいでのお客様は、大抵“お母さま”方です。
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さて、続く床下の場は、大道具の仕掛けもおもしろく、中村吉右衛門丈の
仁木弾正の出が、またユニーク(独特ということです)です。
役者さんによって、まったく違うものが見られるので、あれこれ見比べるのも、
興味深いところです。
片岡仁左衛門丈、松本幸四郎丈のものが、私は特に好きです。
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そして、対決と刃傷。
やっつけられて倒れる悪者役吉右衛門丈が、退場するところは、
まるで“ジーザスクライストスーパースター”の一場面のようで、
客席からも拍手で見送られています。
また、市川染五郎丈の細川勝元、口跡爽やかで清々しい。
その清々しい雰囲気で、このドロドロした内容の舞台を、
すっぱり綺麗に終わらせることに貢献されていました。

今月も、楽しい観劇が出来ました。



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by oomimi_usako | 2015-09-09 16:26 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(0)

歌舞伎座八月納涼歌舞伎 第三部

歌舞伎ビギナーではありませんが、
楽しい演目は大好きですので、
もちろん今月も、観劇に出掛けました。
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お目当ては第三部。
今年春に亡くなった十代目坂東三津五郎丈が、
振付をなさって復活された演目がかかるからです。

一幕目 芋掘長者。
こちらの舞踊が、それ。
“十世坂東三津五郎に捧ぐ”という副題が、
今回は特につけられています。
復活上演されたのは、ちょうど十年前の平成十七年。
この年は、ちょうど十八代中村勘三郎の襲名の年でした。
お二方とも、もうこの世の方ではありません。
歳月の流れは、早いのだか遅いのだか・・・。

今回は、踊りの下手な芋掘籐五郎という役を、中村橋之助丈。
その友人で踊りの上手な治六郎を、三津五郎のご子息巳之助丈がなさっています。
橋之助丈は、きびきびと気持ちよい舞い姿。
さすが!と思わされますが、それもそのはず。
若手が集う今月の舞台においては、すでにかなめのお立場です。

巳之助丈、奮闘しておられました。
お声も良く通り、りっぱなお姿。
どうぞ迷われていた時間を、少しでも早くキャッチアップなさいますように。
そうして、踊りの名手と言われたお父様とは、
また違った個性を発揮されるように、精進していただきたいと思うのでした。

国生丈、なかなか素敵。
技量までは、わかりませんでしたが、お顔が整っていて、
まるで、お内裏様みたいです。
お母さま、三田寛子さんに、似てる?

お芝居上手と見たのは、鶴松丈。
さすが十八代勘三郎の部屋子さんだなあと感じました。
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二幕目 祇園恋づくし

こちらは、お芝居です。
京都の祇園祭りを見物に出掛けた、江戸の指物師が出会う、
京の人々とのあれこれを、楽しくお芝居にしてあります。 
祇園さんに浮き立つ京の街の人々の様子が表現されたり、
お祭りのお囃子が流れたり、
とにかく、勘九郎丈演じるべらんめえ調の江戸っ子以外は、
みんな京のお人。
耳慣れない京言葉が飛び交うので、一生懸命聞いていないといけません。

扇雀丈、大津屋次郎八とその女房おつぎを二役でこなされます。
巧いっ、とにかく巧いお芝居。
いつの間に?と思いましたが、主役級で活躍される舞台を、
いままであまり拝見してこなかったので、今後はもっと積極的に、
拝見したいと思います。

勘九郎丈は相変わらず、間合いも良くて楽しいお芝居。
七之助丈や、巳之助丈、鶴松丈との掛け合いも、
アドリブたくさんで、客席は大笑い。

めでたしめでたしとなる結末も手伝って、
ただただお芝居の面白さを楽しむことのできる、
良い幕でした。
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さてさて、来月は、古典がかかります。
今月のように、大笑いする場面はありません。
でも、眉間にしわを寄せつつ、歌舞伎ワールドにじっくり浸る時間もまた、
楽しみです。

usako補足>二列前で、NHKの古典芸能解説でおなじみ、
葛西聖司アナウンサーが御観劇でした。
どんなご感想を持たれたでしょうか、伺ってみたいものです。

今回もまた、美味しいもののお話ではありませんが、
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by oomimi_usako | 2015-08-19 15:15 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(6)

歌舞伎ビギナーは今月の歌舞伎座へ!!

八月の歌舞伎座は、いつもとはちょっと違います。
毎年恒例の納涼歌舞伎。
演じ手に、若手が揃うなら、
ご見物も、初心者大歓迎!と言ったところです。

では、なにが、八月以外の月と違うかと申しますと・・・
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まず第一に、三部制になっているというところ。

通常は、二部構成。
昼の部は、午前11時頃から始まって、休憩を挿みながら午後3時半頃まで。
夜の部は、午後4時過ぎ頃から、休憩しつつも午後9時頃まで、と長丁場。
果敢に観劇されても、途中うっかり睡眠時間に充ててしまう方も、
案外多いのが現実です。

その点、三部構成ならば、
第一部は、午前11時~午後2時頃まで。
第二部は、午後2時40分~5時頃まで。
第三部は、午後6時15分~午後9時まで。
ひと公演ごとが短め。
公演の中に休憩も30分はありますし、
お仕事帰りに寄れそうな時間帯もあります。


第二に、観劇料金が、ちょっとばかりお安い。
まあ、あくまでも“ちょっとばかり”ですが。


第三に、当月ばかりは、演目が分かりやすくて面白い。
歌舞伎は、なんだか難しい、敷居が高い、というお声を私も良く拝聴しますが、
そもそも歌舞伎はそういうもの。
難しいからこそ、それを理解することに楽しみがあり、
敷居が高いけれど、そこに非日常のシャンと背筋を伸ばすひと時がある、
というのが、歌舞伎の良さでもあると思います。

如何にも歌舞伎らしい、時代物の通し狂言や、
人間国宝や、褒章受章者の方々でなければ、演じきれない狂言やらが、
わがもの顔に並び、そうでなくちゃ観た気がしない、などと思う
ご見物の多い他の月。
でもね、そのようなご見物だって、最初からそうであったわけでないのです。
“ナニ言ッテンダカ、ナニシテンダカ、ワッカンナ~イ”
と、誰もが最初は思ったはずでありまして。

昔は、観ているうちにだんだんわかってきますよ式でしたが、
他の娯楽と競合し、勝ち残っていくために、
何を言っているか、何をしているか、わかるお芝居を
この八月にみせてくれるようになっているというわけです。

そんなこんなの納涼歌舞伎。
いつもは高そうに見える(見えるだけなんですけどね)
敷居をグッと下げて、
ちょいと観に行こうか、と思っていただけるようにして、
みなさまのお越しをお待ちしております。
千秋楽は8月28日金曜日です。

本日はたべるもののお話ではありませんが、
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by oomimi_usako | 2015-08-17 14:06 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(10)

歌舞伎座 六月大歌舞伎 夜の部

今月の歌舞伎座は、新薄雪物語の通し狂言がかかっています。

この狂言は、適役の役者が揃うと、歌舞伎芝居の醍醐味を
すべて兼ね揃えた非常に面白い舞台になると言われていて、
歌舞伎好きなら、当代の役者を揃えての通し狂言を、
一度は見ておきたいと思う、そういうお芝居です。
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今回は、なるほどと納得出来る役者さんのお名前が並びましたので、
拝見しに出掛けました。
昼の部に、序幕清水寺花見の場と、二幕目幸崎邸詮議の場が済んでいて、
夜の部は、三幕目園部邸三人笑の場と、大詰め刀鍛冶正宗内の場の上演です。

寛保元年、竹本座の人形浄瑠璃のために、竹田小出雲、文耕堂、三好松洛、
小川半平の合作で書き下ろされたのち、すぐに歌舞伎へもかけられたのが最初です。
薄雪物語という仮名草子を元にしているので、お話としては、
園部兵衛の息子左衛門と、幸崎伊賀守の娘である薄雪姫の恋物語。
でも、そこにお家失脚の謀反がドロドロ絡み、
命を懸けて子を救う、親の情愛がストーリーを拡げ、
華やかな舞台構えに、一風変わった鳴り物まで耳に新しく、
完成度の高い大舞台が仕上がります。

今回は、遅ればせながらの掛かりどき。
それなら今が観どき、と楽しみにしていました。
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三幕目園部邸三人笑の場。
通称“合腹”。
園部兵衛は仁左衛門丈、その奥さま梅の方が魁春丈で、お二人とても良いコンビです。
幸四郎丈は、幸崎伊賀守。
どうお芝居なさるかとても興味がありました。
大音声を上げるところ、切腹していることを隠しているという設定でのお芝居は
やはり役者さんの力量が問われるものだと思いつつ、感心しながら拝見。
この幕ラストの、三人が次々と笑う場面に至っては、
いいものを見せていただいて良い気分になり、
早くも、また是非再演をしていただきたいものだとしみじみ思いました。

脇を固める又五郎丈、権十郎丈も良いお芝居。
若手で加わる薄雪姫の米吉丈は、台詞の途中で身体がヘンにぴくぴく動くのと、
力が入り過ぎるのが気になりますが、かわゆらしくて
一生懸命さにとても好感が持てますので、も少しお上手になったら、
ファンになってしまうかもしれません。

大詰め刀鍛冶正宗内の場は、
前幕合腹での、子のために切腹する二人の父親の情愛をみたあと、
今度は初っ端から、子が親を勘当したという事件から始まります。
悪い子である団九郎が吉右衛門丈。
親の正宗を、歌六丈。
がらりと変わって世話物風なお芝居に。
息の詰まる幕から一転してこういう幕になると、ほっと一息ついて、
また違う気分で続きを楽しめるというもので。
江戸時代のご見物たちも、同じような気持ちで舞台の進行を見つめたでしょうと
タイムスリップしそうな不思議な気持ちになりました。
歌舞伎のお芝居は、いつもみなそうであるはずなのに、
なぜか今回特にそう感じました。
耳慣れない刀を鍛える音が、心地よく響いたあと、
立ち回りは、片腕を無くしたという想定での大捕り物。
鳴り物、刀鍛冶の道具を巧みに使い、注連縄を小道具にして、
吉右衛門さん、見事でした。

親子の深い情愛を描いた、新薄雪物語。
刀を巡る騒動ですが、刀で切れる人の身体と、切れない情愛を絡めているのか、
掘り下げていくと、なかなか味のある深い意味を持つ狂言であるのだろうと思います。
役者を揃えて、再演を期待します。
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usako補足>
そうそう、ちょっと驚いたことに、入場口を入った途端、
昼の部ですでに上演した部分の、あらすじと登場人物相関図を一枚にまとめた
ものを場内で配布していました。
こんなご親切は、長きにわたる観劇人生の中では初めて。
ちょっとびっくりいたしました。

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by oomimi_usako | 2015-06-25 15:14 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(4)

東銀座 文明堂カフェ フレンチカステラ

昔からお馴染みの美味しいものに、
ちょこちょこと手を加え、
ひと味違った、
また美味しいものを楽しもう…
というむきが見られます。
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たとえば、先日、
おやつ用の餡玉を買い求めに立ち寄った、舟和にて。
並んで置いてある、〝御存知”芋羊羹に、何やら添え書きがあるのが、
目に留まりました。
“芋羊羹は、全面を素焼きにして、あるいはバター焼きにして、
珈琲や紅茶に合う洋風なお味を楽しめます、云々。”
想像すると、なかなか美味しそうです。

また、別の日、
贈り物を手配しに行った、改めてよく見たクラブハリエにて。
“これまた御存知”バウムクーヘンと並んで、何やら置いてあるのが、
目に留まりました。
ドライバーム。
いまさら新しいものでもないのかもしれませんが、
いつから登場したのか、ちっとも存じませんでした。
“お子様からお年寄りまで、美味しく召し上がっていただける”
ものなのだそうです、お店の方の弁によると。
バウムクーヘンを焼くこと自体、相当手間暇かかることなのに、
それをまたスライスしてからオーブンで焼くなんて、
ご苦労さまなことです。
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そして、また別の日。
三時のおやつのために立ち寄った、文明堂のティルームで、
“これまた御存知”文明堂のカステラを、フレンチトーストの要領で焼いた、
フレンチカステラをいただきました。
たっぷりのシナモンパウダーが振りかけられたフレンチカステラには、
外はサクサク、中はふんわり。
カラメルの掛かったアイスクリームと、ホイップされたフレッシュクリームが、
添えられていました。

“御存知定番”のお菓子たち。
アレンジすれば、なるほど目先は変わって、いっとき面白いけれど、
でもやっぱり、芋羊羹として、バウムクーヘンとして、
そして、カステラとしていただくのが、
結局、一番美味しいように私は思いますが。
老舗を、変なアレンジに走らせた挙句の果てに、
定番の美味しいお菓子まで食べられなくなった…というようなことが、
ないように、と願うばかりです。


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by oomimi_usako | 2015-06-16 22:23 | あまいもの | Trackback | Comments(10)

歌舞伎座 二月大歌舞伎 昼の部

一幕目。
吉例寿曽我。
まるで、今月が初芝居という感もある一幕目は、
紅白の梅の吊りものの可愛い曽我物です。
そもそも、江戸時代から、曽我兄弟に因んだ演目は、
お正月のものという決まりがあります。
そのお芝居の中に必ず存在する、曽我兄弟と工藤祐経
(くどうすけつね)が対面する場面が、おめでたい儀式としての
役割を持っていたことで、お正月狂言として定着してきた由来が
あるのです。
それがねえ、なぜに二月?

どうしてこうなっているのかよくわかりませんが、
“決まりごとのある清々しさ”が、やがて人を魅了するということに、
早く気付いて欲しいものだと思います。
歌舞伎をもっと広めたい、もっと多くの人に見てほしい…
という思いがあるのは、当然ですが、ただ間口を広げる、
敷居を低くするなどなど、その場凌ぎの浅はかな趣向では、
人の心はつかめませんものね。

始めは、鎌倉鶴ケ岡八幡宮の石段の前でのお芝居。
この場面は、“曽我の石段”と呼ばれていて、
舞台演出上、面白い仕掛けが楽しめます。

闘いの最中、月が雲に隠れた(という設定)真っ暗闇で、
相手が“見えない”ことを前提に立ち回る“だんまり”という趣向が、
まずひとつ。

八幡宮の石段が、役者さんたちを乗せたまま、
90度後ろに倒れてゆき、代わって、下から、
富士山の書割が出てきて、場面は大磯曲輪外の場に変わっていく、
“がんどう返し”という舞台転換方法など。

その後、舞台では、
“いずくもおなじ、千代の春~~”と謡われますが、
同じ春は、どこにも、そして二度とないことを、この日のご見物の皆様は、
どなたも御存知でした。
坂東三津五郎丈の御葬儀当日。
舞台上で、御子息の坂東巳之助丈には、
“おめでとうございます”と声高に言う台詞がありました。
この演目の清々しさと華やかさが、その凛とした大きなお声と重なって、
却って悲しさを、より一層大きくする、胸の詰まるひと幕となりました。
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二幕目は、彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)。
“毛谷村(けやむら)”と呼ばれるお芝居です。
舞台上手の白い花の咲く椿の木や、下手の紅梅白梅に、季節感が感じられます。
毛谷村六郎を尾上菊五郎丈。
だんだんご体型が、お父様の故梅幸丈にそっくりになって来られました。
(大変大変失礼ながら、樽のようなのです~)どうか、お身体大切になさって、
ながくお芝居を見せてくださいと、願わずにはいられません。
女だてらの剣豪お園は、中村時蔵丈。
くすっと笑える場面もあるこの幕。
ひと幕目とは、がらりと変わって、ベテランの揃う幕で、
落ち着いた気持ちで観ることができました。
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三幕目は、積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)、“関の扉(せきのと)”と、
呼ばれている舞踊劇です。
今回の観劇は、ここにご出演の尾上菊之助丈を楽しみにしていました。
小野小町姫、傾城墨染、小町桜の精、を演じています。
定式幕があき、舞台を覆う浅黄幕が切って落とされると、そこに
雪に埋もれる逢坂の関と、満開の小町桜が枝をひろげていて、
お話はそこから始まります。
花道を登場する菊之助丈。
可愛い可愛い小町姫役。
赤いお着物に、銀のキラキラ光る簪がようお似合い。
でも、だが、しかし!
あと3,40年経つと、やはりお父様菊五郎丈のような体型に、
なってしまわれるのでしょうか…ぶるぶるぶるっとその妄想を打ち払い、
ここは、今、目の前の菊之助丈に集中です。
良峯少将も、私の好きな錦之助丈ですので、
お二人が共に舞うところに、うっとり。
満開の桜、そこに降りしきる雪、雪太鼓のどーんどーんという低い音。
すべてがしっくり合って、一つの世界を作ります。
常磐津がまたとても良くて、素敵な関の扉ワールドに浸れました。


usakoのわたくしごと>今月は、千秋楽間近になっての観劇でした。
その直前に坂東三津五郎さんの悲報が。
私事乍ら、舞台以外の素顔で一番お目にかかる機会があり、
一番お話させていただいた方でしたので、悲しいというより、
なんだかぽっかり…。

おばあさんになっても、歌舞伎座の客席から
おじいさんになった三津五郎さんの、舞台姿を拝見したかった
それは、夢まぼろしとなってしまいました。 合掌。





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by oomimi_usako | 2015-02-27 11:43 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(2)

歌舞伎座 寿初春大歌舞伎 昼の部

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歌舞伎座の初芝居。
ご見物の方々も華やいで、これぞまさに
“日本のお芝居見物”
といった様相を呈するのが常です。
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お正月らしい華やかさのある舞台がはじまるのを、
さざめきながら待つ客席を見回して、
“今年も良いお芝居がたくさん見られますように”
と、心躍らせるのが、睦月の歌舞伎座。
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…なのですが、
何だかいつもの年とは毛色の違う演目が混ざっています。
何月にやっても良いような演目。
気のせいか客席も、期待したほど華やかな雰囲気ではなく、
季節感のなさというか、
メリハリのなさというか、
そんなところが、年の初めからちょっと残念に思いました。

一幕目は、祇園祭礼信仰記の四段目、金閣寺。

桜の木に縛られたお姫様が、降り積もる花びらでねずみを描くと、
あ~ら不思議、絵に描いたねずみが動き出し…、という、
私が春になるといつも思い出す場面のある、お芝居です。
構成も、舞台も、役柄も、いわゆる歌舞伎らしい一幕なのですが、
これに、中堅から若手を揃えた清々しい舞台でした。

松永大膳は、市川染五郎丈。
幸四郎父ちゃまが、なさっていらっしゃるのかと見紛うばかり。
此下東吉の中村勘九郎丈も、お父ちゃまのお声とそっくり。
この方のお衣裳、裃にひょうたん(此下=木下ということなので)
の金糸の刺繍が綺麗です。
それから中村七之助丈は、たおやかで綺麗で見ていて気持ちが良く、
縛られて、手の振り無しの体勢ながら、
身体の動きと表情でなさるお芝居の見事さに、感激しました。
でも、最近TVのバラエティ番組などで、フツーのワカモノ姿を
ちょくちょく拝見してしまうせいでしょうか、お姫様の特殊感や
清潔感に、ちょっと欠ける気が…。
というわけで、
私はやっぱり玉さまの雪姫が一番好き!

そうそう、
金閣寺をセリで上げ下げする大仕掛けも、見ごたえがありまして。
この演出、初演以来続いているものだそうです。
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二幕目は、舞踊で、蜘蛛の拍子舞 花山院空御所の場。

荒れ果てた花山院に、物の怪退治にやってきた源頼光。
彼の前に、葛城山の女郎蜘蛛の精が美しい女性に姿を変えて出てきます。
頼光は七之助丈で、蜘蛛の精は、待ってました!の坂東玉三郎丈。

お昼ご飯休憩のあとで、お腹いっぱい、まったりムードのご見物。
そこへはじまる、ひゅーどろどろの音。
蝋燭の本火に照らされたすっぽんから、美しい白拍子の玉さまが
せり上がった瞬間に、客席の空気がピリリと変わりました。
舞台が狭く見えるような存在感と、圧倒的な求心力は、
一体どこから玉さまの身体に宿ったのでしょう。
十五の時から求心された(?)私にとって、
これはまさに、眼のお正月の幕になりました。

そうそう、途中で、ぼっとりと落ちてくる女郎蜘蛛の作り物。
近づくと獲って喰われちゃいそうな、その名前のイメージには、
ぴったりなれど、本当の女郎蜘蛛は、意外に小さくて細い蜘蛛だと
いうこと、御存知でしたか?

玉さま、勘九郎丈、七之助丈の息の合った踊りも、
気持ちよく揃って見事です。
後シテの蜘蛛の精の玉さまの迫力も、これまた凄まじくて、
見ごたえのある幕でした。
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三幕目は、一本刀土俵入。
昭和6年に初演された、いわゆる新歌舞伎といわれるもの。
長谷川伸の代表作です。

主人公の取的(相撲取り)駒形茂兵衛に、松本幸四郎丈。
対するお蔦は、中村魁春丈。
お二人揃って、いい芝居をなさっていて、その掛け合いは絶妙。
歌舞伎というよりも新派を見ているようです。
このお芝居は、今まで幾度もみてきましたけれど、もしかしたら
今回が一番良いかもしれないとも、思いました。
この演目は、芝居上手な役者さんがなさるに限りますね。
でも、脇を固める役者さんがたも、相当のキャリアのある方々が
お揃いでしたので、とても後味の良い仕上がりを拝見出来たの
かもしれません。
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こうして、歌舞伎好きusakoのお芝居見物が、今年も始まりました。
その都度、あーだこーだと長い感想で、お目を穢しますが、
いずれもさまも、まっぴら、御免なさってくだせいまし~ね。



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by oomimi_usako | 2015-01-20 20:49 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(6)

歌舞伎座 11月吉例顔見世大歌舞伎 夜の部

今年は、白鷗丈の三十三回忌にあたるそうです。
最晩年を拝見しましたが、舞台にご登場されるだけで、重厚さを漂わせることのできる方でした。
今月は夜の部を観劇。
いつものように、長い長い観劇記録です、平にご容赦。

一幕目は、鶴屋南北作の御存鈴ヶ森。

おうむ石のひとつ、
“待てと、おとどめなされしは、拙者がことでござるかな”
という、幡隋長兵衛と白井権八との掛け合いにあるフレーズは、
日本人ならどなたでも、きっとどこかでお耳にされている有名なものです。
これは、初代桜田治助の作である、幡隋長兵衛精進俎板(ばんずいちょうべえしょうじんまないた)のうちの鈴ヶ森の場面の台詞です。

今回は、四世鶴屋南北作の浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなずま)というお芝居の中にある、同じ鈴ヶ森での長兵衛と権八の出会う場面を、ひと幕だけ上演。

同じ場面が、違うお芝居に出てくるというのは、歌舞伎では時々あって、
微妙な違いが面白かったりいたしまして…。
先にご紹介したおうむ石は、幡随長兵衛精進俎板のほうで、
今回は、ちょっと違っていて、
“待てとおとどめなされしは、手前がことでござるよな”…と、こうなっています。

松緑丈と菊之助丈、お若い方が見せ場をしっかり見せてくれましたねぇ~と感心しましたが、
このお二人、すでに若手ではなく、中堅なんですね。
こんなところでも、歳月の流れの早さを感じたひと幕でした。
松緑丈は、もう少しセリフの切れが良いと、もっと気持ちよく見られそうです。
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二幕目は、勧進帳。

もう今回で、何度目の観劇になりますやら。
でもこの配役では、初めての拝見となります。
弁慶は、市川染五郎丈。
義経が、中村吉右衛門丈。
そして富樫が、松本幸四郎丈。
ちょっと面白いですよね、弁慶と義経が逆なんじゃないかと思うようでしたが、
たまにはこのような思いがけないなさり方も、楽しみが増すのではと思っていました。

何度見ても、楽しめるポイントがいくつもある勧進帳。
今回は、染五郎弁慶のハリのある良く通るお声(聞けば聞くほどお父様叔父様とよく似ているのですが)が良く、
また、幸四郎富樫とのさすが父子ならではのハーモニーにも感心し、
そして、いくら折檻されてもビクともしなさそうな力強い吉右衛門義経の姿に、
“こういう形で主従関係を感じさせるのもありかもしれない”などと妙な納得の仕方をしながら、
幕引きの見事な飛び六法を眺めたのでした。

今月の勧進帳は、おすすめです。
それはどなたもお感じになったようで、
珍しく、染五郎弁慶が揚幕に飛び入ってから10秒位、客席からの拍手が続き、
このままアンコールになったらどうしましょう?と、ドキドキしてしまいました。
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三幕目は、義経千本桜から、すし屋の一幕。
こちらもまた、今までいったい何度見たのかと思うほどですが、
見れば必ず、柿の葉寿司が食べたくなる…そういうお芝居です。

中村時蔵丈、尾上菊五郎丈、市川左団次丈、松本幸四郎丈…と、
大御所がずらり勢ぞろいして、安心して見て居られるひと幕でした。
権太の告白の場面が、ちょっと間延びしたように思いましたが、
なぜそう感じたかが、いまのところわかりません。
もう一回見るとわかるかしら?

お芝居は総じて良かったのですが、実は、ご覧のお客様方も、面白かった!
すし桶に、お金や人の首が次々と隠されていくところでは、
“あ~っ”とか“おぉっ”とか小さなお声があちらこちらから漏れ聞こえます。
割とポピュラーなこの仕掛けを知っている人は多いので、
いちいち驚く人も少なかったはずの場面ですが、
きっとこの日は、はじめてのお客様が多かったのかもしれません。
それだけ、歌舞伎をご覧になる方々が増えてきたということかもしれず、
良きこと良きこと…と、ひとり嬉しくなりました。
願わくは…
“すし屋”の段が、すし桶取り違えの喜劇だと、思わないでねっ!


歌舞伎話は、ついつい長くなってしまいます。
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by oomimi_usako | 2014-11-16 21:41 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(2)


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