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2010年4月 火の国にて~肥後の旅 第二日目

旅行に出た時には、朝のNHKニュースを見るのがまた、一つの楽しみです。
全国放送の合間にある、地元局の時間帯に興味津々。
ご当地版天気予報は、これがまた雰囲気が全く違って面白かったり。
最近見かけないなあと思っていたアナウンサーの方を、お見かけして、異動されたことを知ったり。
その土地ならではのイベント情報なども、偶然入手出来たりもします。
少し汗ばむ位の良い陽気に恵まれ、巡った二日目の肥後の御城下
坂本龍馬に関わりのあるところにも行ってみました。
また、お昼間&トワイライトタイム、そして夜へと移りゆく、熊本城の様子も楽しみました。

<この日見たもの>
◎加藤清正公像
“まずはやっぱり御挨拶しなくちゃ”
と、ウチの殿が申しますもので・・・。
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櫨方門近くにお座りになっている、加藤清正公にお目にかかりました。
“きよまさこう”と、私たちは読みますが、熊本では、“せいしょこ”さんと呼んでいます。
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◎本妙寺
日蓮宗、加藤清正の御廟所。
1585年、加藤清忠(清正公の父)の菩提寺として大阪に建立したものを、清正の肥後入国にともなって熊本城内に移し、さらに清正公の死後、現在ある場所に移建したもの。
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「胸突雁木」と呼ばれる、176段の急勾配の石段は、中央部分に数百基の石灯篭がベルト上にずらりと並んでいます。
それを登り切ったところに、あるのが清正公を祀る浄池廟
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さらにそこから300段の石段を登ったところに、
  ・・・とっ殿ぉ~、おまちくださいませ~・・・
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片鎌槍を持った清正公が、お城と熊本の御城下を、ハッシと睨んで立っておられました。
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◎本妙寺宝物殿
浄池廟の境内には宝物殿があり、清正公の遺品や加藤家細川家に関するものを約1400点を収蔵し、一部を展示しています。
かなり貴重な品々を、レプリカでなく展示していて、見る側にとっては、嬉しいものでした。

◎横井小楠記念館(四時軒) 市電の終点健軍(けんぐん)から、歩いて20分程の沼山津というところにあるのが、四時軒という、横井小楠(よこいしょうなん)が開いた教育塾(小楠旧居でもある)です。
横井小楠は若い頃、肥後の藩校時習館に学び、のち江戸末期には越前藩の松平春嶽に、また岩倉具視にも頼りにされ維新後は明治政府に、それぞれ招かれて活躍した、幕末の思想家です。
旧居は復元され、また併設の記念館では、小楠由縁の資料や幕末の資料などが展示されています。
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横井小楠は、NHK大河ドラマ“龍馬伝”にも、5月半ば頃にちらりと登場します。
ただ、ドラマ中の扱われ方からは図り難い、大人物であることを皆さまご承知置きください。
勝海舟は“氷川清話”の中でこういっています。
“おれは、今までに天下で恐ろしいものを二人みた。それは横井小楠と西郷南洲(隆盛)だ。”と。
勝海舟と共に、熊本へ滞在した龍馬は、勝先生のお使いで、この四時軒を訪ね、小楠先生と語り合ったと言います。
“日本をいま一度洗濯いたしたく候”
という龍馬くんのお馴染みの文章も、実は、横井小楠がお話したことだそうで。
世が世なら、さながら著作権争いってことになったのでしょうか??
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ただこのご立派な小楠先生、実は大酒飲み。
お酒の上での失敗は、どうやらご愛嬌の域を超えて、結構笑えないことばかりだったようです。

◎旧細川刑部(ぎょうぶ)邸
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細川刑部家は、細川家三代(肥後藩初代)忠利公の弟興孝(おきたか)公が、1646年に興した家です。
もともとは別の場所(子飼)にあった興孝公の下屋敷を、4年がかりで三の丸に移築復元して公開しています。
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趣のある武家のお屋敷の佇まい。
唐破風のお玄関を入り、長いお廊下を歩いているうちに、なぜかだんだん摺足になってしまいました。
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◎熊本城
このお城をみて、
“築制他城の比にあらず。外周最大なり。郭城高く、堅牢おもうべし。”
と驚嘆したのは、勝海舟。
加藤清正の築いた名城として、もうどなたでもご存知だと思います。
日本三名城のひとつで別名銀杏城(大銀杏が本丸にあります)。
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城郭の広さ、約98万㎡、築城当時のその周囲は約9km。
自然の地形を利用した独特の築城がされています。
難攻不落と言われ西南の役でも、西郷隆盛が率いる薩摩軍に対して籠城戦を耐え抜くも、総攻撃の前日に原因不明の失火により一部を残し焼失しました。
現在の大天守も小天守も、もちろん復元されたもの。
でも、復元しても、街のシンボルとして大事に守っていこうとする地元の方々の姿勢と心意気が、ずっしり伝わってくるような気がします。
熊本一のデパート鶴屋の、ルイヴィトンのディスプレーからふと視線を動かすと、どーんとお城が見おろしている・・・って、なんだか良いと思いません?(そんな変なことに感動するのはきっと私だけね)
地方によっては、
・・・ほおって置かれて裏ぶれている感じのお城もあれば
・・・整備はされているけれど、周りはお役所街で市民からは遠い感じのところもあり、
これはやっぱり、昔からの、ご城主とご城下の人々とのつながりの違いや、もちろんそのご当主家の力や伝統の違いからくる結果かもしれません。
Noblesse oblige的思考は東西を問わず、ということでしょうか。

築城は1601年から7年かけてといわれています。
天守は、千鳥破風で、外観三層内部六階地下一階。(小天守は、外観二層内部四階地下一階。)
内部は博物館になっていて、一階加藤家時代、二階細川家時代、三階西南戦争の資料展示があります。
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大天守からは、午前中に行った本妙寺の屋根や加藤清正公の像がみえました。
そういえば、細川忠利が肥後藩主として、初めて入城したとき、この大天守から本妙寺に向かって頭を下げたという話が残っているそうです。
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二様の石垣
熊本城の石垣は、武者返しと呼ばれる急勾配に特徴がありますが、加藤清正の時代のものと(右側)細川忠利の代に積み増したもの(左)とでは、その工法が異なるため、勾配にも違いがあります。
美しく切り出された石が積まれているさまは、芸術的とも言えるほど。
でも、そっと手のひらを当てると、ほんのり温かい石垣なのでした。
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天守御殿の「闇り通路(くらがりつうろ)」といわれる地下通路や、「昭君の間」などの見事な障壁画やふすま絵、格子天井の絵画などは見事。
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◎熊本城の夜間開園
熊本城は、日没から23:00まで、ライトアップされて街の中に美しく浮かび上がっています。
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さらに、4月から5月にかけての金・土曜日、夜間開園を行っています。
熊本の街の夜景色を、天守閣から見渡す機会もなかなかないでしょうということで、日が落ちてから再登城。
春の宵の風に吹かれながら見下ろす街の明かりは、なんとも風情のあるものでした。(日中は確認しづらい阿蘇くまもと空港も見えました)
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帰り道は、すっかり世闇に包まれた頬当御門(ほおあてごもん)から、提灯の灯りの続く行幸坂をぶらぶら歩き。
ここでも春の宵の風が、桜の青葉の香りを乗せて吹いていました。

◎ホテルからのナイトビュー
キャッスルビューということは、こういう楽しみもありました。
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<この日食べたもの>
◎太平燕(たいぴーえん)
中華菜館中華園にて。

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このお店の先代店主が福建省の家庭料理を日本の食材で作ったのがその始まりだそうです。
いまでは熊本では、このお店以外でも太平燕が食べられます。
麺は緑豆春雨。
薬膳の香辛料で煮込んだと言う煮卵は、独特の風味があって美味でした。

◎いきなり団子
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熊本名物のおやつといえば、いきなり団子です。
お店によって、構造(?)もお味もバラエティに富んでいるので、いろいろ食べ比べるのも楽しいもの。
基本は、蒸かしたサツマイモを輪切りにしたものと餡を、もっちりした皮で包んで蒸し上げます。

◎桜肉
菅乃屋 上通店にて

菅乃屋は、国内でも唯一、自社牧場(千興ファーム)のある桜肉の専門店。
美味しい馬刺しをいただきました。
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赤身、霜降り、レバー、コーネ(たてがみの根元でコラーゲンがたっぷり!)などなど、部位によってお味も食感も違いますが、いずれも驚くばかりの美味しさで、地元の米焼酎がピッタリと合いました。
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usakoの裏話>この日上った石段は、いったい合計何段だったのでしょう。
本妙寺476段に加え、熊本城大天守には二度上がりました。
日頃平地をウロウロするのに使っているのとは、全く違う筋肉を使ったようで・・・両脚の妙な部分が筋肉痛になりました。
「国内旅行は歳をとってからゆっくりと・・・」なんて考えている方、お有りでしょうか?
バリアフリーでは、だいぶ遅れを取っている日本ゆえ、国内旅行の方を先にしておいた方がよろしゅうございますよ。

by oomimi_usako | 2010-04-17 23:59 | 旅とおでかけ | Comments(6)
Commented by yukkolin at 2010-05-06 00:08
usakoさんの旅行記で、しっかり歴史のお勉強をさせて頂きました。
ありがとうございます♪
お城にとても魅力を感じる私は、この美しい熊本城にぜひ行ってみたくなりました。
小楠先生の事もよ~く頭に入れておきます。
小楠先生登場の「竜馬伝」も楽しみです。
旅行記、丁寧にまとめられて本当に感心いたしました~^^
さすが、usakoさんです♪


Commented by oomimi_usako at 2010-05-06 09:22
☆yukkolinさま、長い旅行記をお読みくださいまして本当にありがとうございます。
長々と語っておりますが、かく申す私も、記憶の引き出しの奥の奥~にしまってある日本史の知識を、一生懸命復習したような旅行でした。
新しく知ることも多くて、旅のあとは、お腹ばかりでなく(^^;)おつむも、かなり飽和状態になります。
それを整理するためにも、まとめることは大事!と頑張って書いております。

お城がお好きであれば、是非是非熊本城をご覧になってください。
明るい楽しい綺麗なお城です。
ご城下もそんな感じです♪
Commented by emiemi at 2010-05-07 00:58 x
キャー、ホテルからのナイトビューの素敵なこと! やはり三度目の熊本城攻め!?をしなければいけませんね(^^)
usakoさんのおかげで、改めていろいろ知ることができました。歴史だけではなくおいしいものも・・・。ただ、私はどうしても馬刺しが食べられません。米焼酎と合わせればよかったのかなあ、と的外れな反省をしてしまいました。
Commented by oomimi_usako at 2010-05-07 08:24
☆emiemiさま、まずは、またしても長文の旅行記をお読みくださいましてありがとうございました。
熊本には是非、三度で止まらず四度も五度もいらしてくださいませ。
清正公がお呼びですとぉ~♪
私も、県北(八千代座なぞ)、県南(九州新幹線に乗る!)、阿蘇・・・と、あと四回は行かなければと企んでいます。
馬刺し、私は気に入ってしまいましたが、emiemiさまはダメでしたか・・・。
確かに美味しい米焼酎とあわせると、更に美味しくいただけると思いましたので、次回は是非こちらももう一度お試しになってみてはいかがでしょうか?
そうそう、米焼酎って・・・美味しいですねえ♪
今回またしても守備範囲が広がりました!!
Commented by ぷう at 2010-05-07 16:23 x
今回もまた、すばらしい旅日記、楽しませていただきました!
ありがとうございます。
私まで熊本に行った気分♪
ところで、本妙寺の長い石段のお写真で先を行く人影は、もしやお殿様・・・じゃなかった、うさこさんのご主人様?
足長い~!!
なんだかかっこいい~!!
Commented by oomimi_usako at 2010-05-07 23:09
☆ぷうさま、どういたしまして、こちらこそ読んでいただけて嬉しいです、ありがとうございます。
ぷうさまは、まだ未踏の地ですか?
とても面白いところだと思いますので、是非是非城攻めを~♪
それにしても、良くご覧になってますね、あたり!です。
足が長い??それはきっと、下から撮影しているから。
かっこいい??それはきっと、ピントが石段にあっているから。
です。
想像していただくのは、結構ですが、理・想像をお作りになりませんように。
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