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石原都子氏著 “せめて 青い花のために”

本を読むのは大好きですが、
詩集を読むのは苦手。
でも、茨木のり子さんが書かれた“詩のこころを読む”を読んでから、
喰わず嫌いを止めて、機会があれば詩も読んでみるようにしています。
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石原都子氏著“せめて 青い花のために”山と渓谷社

私の回りには、
美味しいものの情報を教えて下さる方と同じ位、
良い御本を教えてくださる知人も多く、
それはとても嬉しいことと思っています。
この詩集も、そんな知人のひとりが奨めてくれました。

最初の一編は、今の私には、まだちょっと引いてしまうような感じ。
でも、メゲずに読み進めることで、
詩作者石原氏の知的な物の見方、感じ方、考え方に、
深く感じ入っることができました。

詩作だけでなく、“旅の音”という随筆も収められています。
その中の、“タンポポ”という文章に、こんな一節がありました。

旅に限らず、私は何かに感動したとき、それをすぐに文章にできない。
心が動いているあいだは考えがまとまらない。
その感動の想いが一度すっかり記憶の底に沈み、
時を経て浮かび上がってくるものを、すくいとることしかできない。
(本文より転記)

大いに心当たりがあるこの感覚。
投入した感動を、頭の中でガラガラ回しているうちに、
何かがアウトプットされてくるんじゃないかと思っているのです。
が、しかし、結局、記憶の経年劣化との追いかけっこばかり。
石原氏は、その対処方法までを書かれているので、
早速私も、真似してみようと思っています。

手元に置いて、
折に触れて頁を繰りたくなる、
そんな詩集です。






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by oomimi_usako | 2016-05-20 22:52 | 読書 | Comments(0)
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