今の時季なら亥の子餅

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お茶の時間に、熱く煎れたお煎茶と一緒に、亥の子餅をいただきました。

旧暦の亥の月亥の日に当たる日に、茶道では開炉の茶事が行われますが、
その際のお茶席菓子として、よく供されるのが亥の子餅です。

そもそも亥の日に、炉を開くという行為と、お餅を食べるという習慣は、別々に存在していたらしく、
茶道の中で、それらが一緒になることで、いまでも両方が伝えられているというのは、
非常に興味深いことだと思います。

古の中国には、亥の月亥の日亥の刻にお餅を食べると無病息災に過ごせるという言い伝えがあり、
それが日本に伝わってきたことが始まりのようです。
平安時代頃には『御亥猪』という宮中行事として、
旧暦亥の月の最初の亥の日に、無病息災と子孫繁栄を願いつつ、
新米をついて作った亥の子のかたちのお餅が献上されていたらしいことは、
『源氏物語』の葵の上の帖にも記されているのだとか。
その習慣は、やがて宮中を下り、一般の人々の間にも広まって、今に至るようです。

一方、同じ亥の日は江戸時代、茶道の炉ひらきのほかに、一般市民の家でも、
火を使って暖をとる火鉢や炬燵など冬のお道具を出す日、とされていたそうです。
なんでも、亥は、陰陽五行では十二支のなかで水性とされるため、
その日に火を入れれば、火事になりにくいと云われていたようです。

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無病息災に、子孫繁栄に、火の用心。
うりぼうの形をした、ほんの小さなこのお餅ですが、
古くから、日本人一人一人が頂くときに込めたその願い。
そうと知れば、時を経た今の時代も変わらずに、願いを込めていただきましょう。
今日の暮らしの安寧が、明日にも明後日にも、ずっとずっとつながりますようにと。



usako補足>たねやさんや、虎屋さんのHPを参考にさせていただきました。
この亥の子餅、11月1日だけの販売のお店もあるようですが、一応11月中なら、手に入れられるお店も多いようです。

ちなみに、2016年の亥の月亥の日は、11月1日でした。
次は、13日、25日(十二支なので)。
食べ逃した場合、最初の亥の日でなくても、肖れるかも?しれません。



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by oomimi_usako | 2016-11-02 14:57 | あまいもの | Trackback

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