歌舞伎座 三月大歌舞伎

今月は、亡くなった坂東三津五郎さんの三回忌追善狂言も含まれている、昼の部をみました。
相変わらず歌舞伎話は長文になりますが、ご容赦ください。


まず、ひと幕目は、真山青果の“明君行状記(めいくんぎょうじょうき)”。
明君として誉れ高い、備前国藩主池田光政の、とある裁定合戦(?)のお話。
真山青果ですから、時代劇風でかつ、台詞重視。
明瞭な御発声で、お殿様を任せたらベスト3に入る(と私は思っている)梅玉丈が光政公で、これは適役。
対する善左衛門という役の坂東亀三郎丈、口跡も良く、抜擢成功という感じでしょうか。
お若い方が多く出演されていましたが、小さかった皆さんがまっすぐ大きくなられて、お姉さん(?!)は嬉しいです。

f0039281_19020255.jpg
続いて二幕目は、御存知“義経千本桜”から、渡海屋(とかいや)と大物浦(だいもつのうら)。
相模五郎役で、坂東巳之助丈が熱演されてました。
観るごとに、ああ、いいなあと思う度合いが増していく役者さんです。

渡海屋銀平ジツハ平知盛をおつとめになったのは、安定の片岡仁左衛門丈。
この方の昔と変わらぬ、ススーッとした尖がった感じやお顔立ちが、
鋭い印象(←個人的印象)の平知盛と重なってみえるので、以前から私は好きな役どころです。
最後に碇を身体に巻き付けて、海中へ仰向けで身を投げるところは、何度拝見しても良いものです。

典侍の局も安定の中村時蔵丈。
物語りを進める役目も担うので、要のお役となっていました。

お披露目したばかりの市川右近くんが、安徳帝を熱演(?)。
良く通る声で台詞もはっきり。ハナマルあげたくなりました。

終盤、浅黄の幕を下ろして舞台転換。
幕の裾には、砂浜と打ち寄せる波と水平線が描かれています。
ただの幕や暗転より、話が続く感じがして、待っていてもワクワクするのが良いなあと思います。
そして、その幕が振り落とされると、セットの岩壁の上に大きな碇が。
これから始まる知盛の死のシーンだと思う間もなく、ものすごい形相で血まみれの仁左衛門丈知盛が花道を駆け込んできます。
知盛の悲壮感を出すには、仁左衛門丈のあの線の細さと、長い御手足がぴったりだと思います。

f0039281_19021378.jpg
そして、三幕目が、神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)。
通称どんつく。
これが、十世坂東三津五郎三回忌追善狂言です。
三津五郎さんがお得意だった舞踊劇を息子の巳之助丈がつとめました。
舞台は、折しも亀戸天神。くず餅発祥の地(ひとつ前の記事をご覧ください)。
太鼓橋、藤棚、の書割に、お茶屋さん(たぶん)はありましたが、くず餅屋さんは、残念、ありませんでした。
追善狂言らしく、菊五郎丈はじめ、彦三郎、魁春、時蔵、團蔵、弥十郎、秀調に、海老蔵や松緑、私の好きな尾上右近丈もご出演で、皆さんが次々と踊りを披露するという楽しい舞台になりました。
賑やかで、華やかで、そして、これからも温かく、みんなで巳之助さんを見守って行きますよ、
というメッセージが込められた良いひと幕でした。

四月は、菊之助さんのお出になる夜の部を観る予定です。




[PR]
トラックバックURL : https://ksweetk.exblog.jp/tb/27674731
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by oomimi_usako | 2017-03-27 18:56 | 歌舞伎やお芝居見物 | Trackback | Comments(0)

美味しいものの備忘録


by oomimi_usako